元不良見習いの奮闘記







































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第6章 徐々に近づく距離感
アイドルって大変だな
説明を受けて、俺が担当する場所に向かう。
高松「ここか?」
指定されたレーン?に行く。
そこには・・・
樋口「あ、高松君だ!」
樋口さんがいた。
高松「・・・どうも。」
樋口「顔が怖いよ。」
高松「そんなことないです。午前中は、よろしくお願いします。」
樋口「1日中じゃないの?」
高松「そうみたいです。午後は、誰だったかな。まぁ、違うところに行きます。」
樋口「えぇ〜、残念〜。」
ちょっと笑顔だが、残念そうにしている。
高松「そろそろ、始まりますよ。」
樋口「あ、本当だ。よろしくね!」
〜〜〜〜
「ひ、ひなちま!いつも応援しています!」
樋口「ありがとう、これからも応援してね!」
「は、はい!」
高松「はい、お時間です。」
樋口「また来てねぇ〜!」
高松「次の方、どうぞ。」
色んな人が来る。
女子高生や中年男性、俺と同い年くらいな男等々。
見ていて、大丈夫そうな人ばかりだと思うが・・・
「いつまでアンダーにいるの?そろそろ卒業考えてないの?」
とこういう奴もいる。
樋口「ごめんね。もっと頑張って選抜になるから考えてないかな。」
「へぇ〜、せいぜいあが・・・」
高松「お時間です。」
「お、おい!」
高松「・・・」
「ひ、ひぃ!」
男は、睨むとそそくさと逃げていった。
高松「次の方、どうぞ。」
〜〜〜〜
昼休憩
樋口「高松君、ありがとう。」
高松「何もやってませんが?」
樋口「助けてくれたじゃん。」
高松「そんなことしてません。」
樋口「もう〜。」
昼休憩をもらい、弁当をもらいに行く。
まだ時間はあるが、次の担当の確認もしたいから早めに食おう。
高松「では、これで。」
樋口「次も剥がしやってよ〜。」
高松「それは、無理ですね。」
樋口「えぇ〜。」
〜〜〜〜
午後の部
岩本「あ。」
高松「あ。」
午後からは、岩本さんのレーンを担当することになった。
高松「よろしくお願いします。」
岩本「よ、よろしく・・・」
なんか気まずい。
まぁ、廃工場でボコボコにされたのを見ているから、何かと罪悪感に見舞われているんだろうな。
岩本「あ、あの。」
高松「ん?」
岩本「あの時は、ありがとう。」
高松「俺は、助けてない。助けたのは、両津勘吉って言う警察官だ。その人に礼をいいな。」
岩本「けど、あの時、高松さんが、蓮加はどうなってたかわからないもん。」
高松「けど、助けたのは俺じゃない。ほら、始まるぞ。」
岩本「う、うん。」
うわ〜、気まずい。
〜〜〜〜
「蓮加ちゃん、大丈夫?」
岩本「うん!大丈夫だよ!」
高松「お時間です。」
「次も元気な姿見せてね!」
岩本「うん!バイバ〜イ!」
さすが、アイドル。
切り替えが早い。
樋口さんみたいな人間が来なければいいが・・・
「この間の事件は、芝居?」
はい、出た。
岩本「違うよ。本当に襲われてたんだもん。」
「へぇ〜、構って欲しいからやったのか。残念だな。」
なんだ、こいつ。
そろそろか。
高松「すいません。お時間です。」
「せいぜいそうやって構ってもらえ。」
こいつ・・・
俺は、そいつの耳元に近づき・・・
高松「おい、何にも言い返せないからっていい気になるなよ。俺がぶちかましてやるぞ。」
小声で言った。
「え、あ?あ、お、お前!!」
俺の顔を知っているらしい。
高松「あ?今の会話録音してあるからな?わかったな?」
「ひ、ひぃ!!」
逃げていった。
高松「次の方、どうぞ。」
「は、はい・・・」
俺を見て怯えている。
岩本「・・・」
〜〜〜〜
高松「ん〜!終わった〜!」
剥がしのバイトは、終わった。
日給ももらった。
中身を見てびっくりしたが、これは嬉しい。
「あ、あの。」
高松「ん?」
岩本「さ、さっきはありがとう!」
顔は、引きずっているが笑顔で言ってきた。
高松「あ、あぁ。また店に来な。うまい飯ご馳走してやるよ。」
岩本「う、うん!」
俺は、その場を後にする。
あんな屑みたいな人間は、死ねばいいと思う。

満腹定食 ( 2021/10/06(水) 09:07 )