瞑想だけでは・・・
高松「・・・」
今日も瞑想している。
ここ数日、瞑想してもすぐに幻聴を聞くようになっている。
(おい、無駄だ。)
(早くこっちに来い。)
(くたばれよ。)
(なんでこんなやつに・・・)
うるせぇ、黙ってろ。
俺は、生き残った。
それだけだ。
「ねぇ、ねぇ?」
高松「ん、ん?」
「大丈夫?」
高松「あぁ、大丈夫だ。飛鳥。」
紺色屋でまだ働けないから、秋元先生からボディーガードをしろと言われて、現場に来ている。
骨は繋がったが、まだ脆いと言われてギブス巻き直した。
飛鳥「本当に大丈夫なの?クマもひどいよ?」
高松「大丈夫だ。」
本当は寝れていない。
幻聴がずっと聞こえる。
瞑想しても治まらない。
俺は、ちょっとずつ連中に蝕まられている。
どうにかしたいが、背負うと決めたから投げ出さしたくはない。
飛鳥「ねぇ、この後時間あるの?」
高松「まぁ、あるにはあるが?」
飛鳥「ご飯行こ。」
高松「え?大丈夫なんすか?」
飛鳥「うん、今日はこれで終わりだから。」
高松「まぁ、はい・・・」
〜〜〜〜
ジュ〜!
飛鳥「食べないの?」
高松「食べる。」
焼肉に来ている。
しかも、飛鳥の金で。
ちょっと乗り気はしないが、人の金で食う焼肉は美味い。
高松「うま。」
飛鳥「でしょ?ほら、もっと食べな。」
高松「う、うん。」
今焼いてある肉を口に運ぶ。
どれもこれも美味い。
まぁ、大将が作る賄いはその日処分する食材を使って飯を作っているから。肉はあんまり出てこない。
肉は出てきても煮込み料理になる。
こうやって焼くことはないから、いい機会だと思う。
高松「うめぇ。」
飛鳥「いい顔になってるじゃん。」
高松「え?」
飛鳥「仕事現場で待ってる時、本当にひどい顔してたよ。」
高松「心配かけてすまんな。」
飛鳥「別にいいよ。高松君には、色々返すものがあるんだから。」
高松「いや、あれは仕事だったし・・・」
飛鳥「そう言わないでよ。これくらいさせてよ。」
高松「まぁ、うん。今回だけ受け取るわ。」
飛鳥「毎回受け取ってほしいけどね。」
高松「考えときます。」
〜〜〜〜
焼肉を食い終えて、飛鳥を家まで送る。
エントランス前に着く。
飛鳥「ありがとう。」
高松「じゃ、これで。」
飛鳥「あ、待って・・・」
高松「どうしたんすか?」
飛鳥「い、一緒に寝ない?」
高松「・・・え?」
飛鳥「明日、休みだから・・・」
高松「・・・」
これは、どうするか。
けど・・・
高松「一旦帰るから、待っててくれ。」
飛鳥「う、うん。わかった。」
俺は、今日飛鳥の部屋に泊まることにした。