元不良見習いの奮闘記







































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第25章 アンダーグラウンド
勝つか死ぬか
ギィ〜!バタン!
「紐切るぞ。」
ブチッ!
高松「・・・」
「それからこれに着替えろ。」
さっきリングに立っていた男達が来ていたズボンとグローブ。
「10分以内で着替えな。」
カチャッ!
高松「おいおい、構えるな。すぐ着替える。」
すぐに着替える。
「で、説明だが、3分間でボコボコにして倒したら勝ちだ。」
高松「そ、それだけか?」
「決着つかなかったら、観客の判定で決める。その場合は生き残れる。」
高松「生き残れる?」
「まぁ、立てばわかる。ほら、行くぞ。」
後ろを見ると、ハンドガンを構えられている。
高松「わかった。」
俺は、そのまま歩いている。
〜〜〜〜
オォ〜!ワァ〜!!
照明がリングに集中している。
慣れるまで、眩しすぎる。
「ほら、行け。」
高松「お、おぅ。」
俺は、リングに向かう。
そのまま中に入るように促される。
もう相手がいる。
だが・・・
「お、俺は、は、か、勝つ!」
声が震えているし、身体も震えている。
高松「弱そうだな。」
ぼそっと呟き、構える。
『レディー!ファイ!!』
「おらぁ〜!!」
弱いの丸出し。
俺は、顎を狙う。
コッン!
「ぅ・・・」
バタン!
『1!2!3!』
カンカンカン!!
『勝者!青コーナー!!』
オォ〜!
「秒殺ってヤベェーだろ!!」
「強すぎだろ!!」
「俺の金返せ〜!!」
「よっしゃ!倍だ!!」
高松「はぁ〜、もう少し鍛え直しな。」
俺は、リングを出る。
「それはないぞ。」
高松「はぁ?」
スタッフにボソッと言われたが、どういうことだ?
「お疲れ。やっぱ、俺の目に狂いはなかったってことを証明したな。」
高松「弱すぎだろ。あいつ、鍛えればいいと思うがな。」
「それはない。」
高松「スタッフにも言われたが、なんでだよ。」
「え?奴は、このまま、消えるからだ。」
高松「それはどう・・・」
「い、嫌だ!!死にたくない!!」
俺と戦ったやつが巨漢な男2人に連れられている。
「チャンスをやったのに、勝たなかったからだろ。ほら、じいちゃんとばあちゃんに会えるだぞ?」
「い、嫌だ〜!し、死にたくない〜!」
高松「え?死ぬ?」
「そうだ。あいつは死ぬんだよ。前回はギリの判定負けだったが、お前が勝ったことで、そのまま・・・」
バン!バン!バン!
高松「・・・う、嘘だろ。」
「あんな感じで死んでいくんだよ。」
高松「・・・」
俺は、言葉が出なかった。
デスマッチだと思っていたが・・・
高松「もしかして、裏社会のおもちゃになっているのか?」
「当たりだ。だから、儲かるんだよ。さっきの勝負で、結構儲かったから、2時間後また出るぞ。そのかわり負けるなよ。」
スタンガン野郎は、悪そうに笑う。
高松「て、テメェ・・・」
「おっと、俺たちが銃を所持していることは忘れるなよ?」
スーツの内ポケットや腰を見せてくる。
ハンドガンやリボルバーがある。
高松「・・・くぅ!」
「ほら、これ飲んで、次に備えろ。」
高松「・・・」
俺は、勝ち続けること以外生きる術がない。
絶対に勝って、生き残る。
七瀬さん、星野さん待っててくれ。

満腹定食 ( 2022/01/03(月) 21:07 )