タバコはやめたが・・・
高松「ただいま。」
白村「おかえり、かんぼ・・・って!顔!どうしたんだよ!!」
左瞼と唇が少し紫になっている。
今は、白村しかいないらしい。
高松「喧嘩売られたから買った。」
白村「はぁ〜、かんぼう。もう少し落ち着けよ。」
高松「喧嘩売られなくなったら、考える。大将は?」
白村「康太と一緒に買い出しだ。野菜が、足りなくなってな。」
高松「そうか。着替えてくるわ。」
白村「かんぼう。」
高松「なんだ?」
白村「喧嘩は、やめろよ。」
高松「そのうちな。」
俺は、2階に上がる。
白村「はぁ〜、あれはまだ落ち着かんつもりだな・・・」
植村「戻ったぞ。お?ヒデ、どうした?」
白村「かんぼうがまた・・・」
角田「タバコっすか?」
白村「いや、喧嘩だよ。」
角田「あぁ〜、けど、あいつの学校って・・・」
白村「わかってるが、そろそろ落ち着いて欲しいって思ってな。」
植村「タバコやめただけで、上等だ。喧嘩は高校までやらせとけ。」
白村「で、ですが」
植村「俺も高校まで目を瞑るつもりだ。卒業したら、俺も言ってやるよ。」
白村「た、大将が言うんでしたら、それに従います。」
植村「言いたくなる気持ちもわかる。今は、まだ子供だ。子供を持つお前の気持ちもわからんでもない。」
白村「・・・はい。」
植村「それまでの我慢だ。いいな?」
白村「はい。」
角田「そうですよ!俺もあの歳の時、やんちゃしてましたからね!」
植村「それだったら、お前が言えや!!」
角田「す、すいません!!」
〜〜〜〜
夜の営業も始まり、接客をする。
角田「かんぼう!これ持っててくれ!」
高松「はい。」
角田「かんぼう。」
高松「なんすか?」
角田「やるなら徹底しろよ?」
白村「康太・・・お前・・・」
角田「え?」
高松「わかっ・・・りました。」
料理を出す。
高松「えっと、ムール貝の酒蒸しです。」
「いや〜、ありがとう。言葉遣いも直ったじゃないか。」
高松「あ、あざ・・・ありがとうございます。」
ガララッ!
星野「また来ちゃいました!」
植村「いらっしゃい。嬢ちゃん。」
星野「大将!こんばんは!あ・・・今度は、どうしたの?」
俺の顔を見て、言ってきた。
高松「喧嘩を売られたので、買いました。」
星野「もう〜、人を傷つけちゃダメだよ。」
高松「はい。カウンターはどうぞ。」
星野「わかってる?」
高松「はい。」
俺は、洗い場に戻る。
白村「ほら、星野さんも心配しているんだぞ。」
高松「はい。出す物ありますか?」
白村「今のところはない。それよりも注文聞いてこい。」
高松「あ、そうだった。」
俺は、星野さんの注文を聞きに行く。
白村「はぁ〜、喧嘩はやめてほしいわ。」
白村の思いは、届くのだろうか。