元不良見習いの奮闘記







































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第12章 表舞台の道
金?それとも・・・
高松「・・・」
植村(お前には、可能性を感じる。)
高松「・・・」
植村(今ある可能性を潰すのは、勿体ない。)
高松「・・・」
植村(決めるのは、お前だ。)
「ちょっと?」
高松「ん?」
亀川「撮影よ。ほら、早く。」
高松「あ、すまない。」
亀川「・・・」
今日も撮影。
大将に言われたことが、ここ数日頭に残っている。
可能性ってなんだ?
〜〜〜〜
高松「あざっした。」
亀川「ありがとう。日曜日にまたここに来てね。この間の男の人が来るから。」
高松「へいへい。」
帰ろうとする。
亀川「ねぇ。」
高松「ん?」
亀川「何か迷っているの?」
高松「いいや?なんで?」
亀川「ここ数日見ない顔をしているよ。何か言われたの?」
高松「言われた。じゃ。」
亀川「待って待って。」
高松「ぐぇ。」
襟を掴まれる。
亀川「ちょっと話していきなさいよ。」
高松「ぐ、苦しい・・・」
亀川「あ、ごめん。」
高松「ゴッホ!ゴッホ!今、済ませてもらっている人から、俺に可能性を感じるって言われたんだよ。」
亀川「それは、いいことじゃない。だったら・・・」
高松「けどよ。」
亀川「ん?」
高松「俺、最初は金のために働いていたんだよ。この仕事もそうだけど。」
亀川「うん。」
高松「けど、モデルの仕事はあんまり楽しくないんだけど、今やっている飯を作る仕事は、楽しいんだよ。」
亀川「前にも言ってたじゃん。」
高松「あぁ、けど、違うことも経験しろって言われても、楽しくなかったら嫌だろ?あんたもそうだろ?」
亀川「そうね。私も人を撮るのが楽しくてこの世界に入っているからね。」
高松「だろ?可能性を感じるから他のことをしろって、なんか頭の中で引っかかってさ。」
亀川「そうね。けど、私にも君に可能性を感じるわよ。」
高松「え?」
亀川「秘めたるものを感じるのよ。できたら、そのタトゥーを消して欲しいんだけどね。」
高松「・・・」
亀川「けど、決めるのは君だよ。それだけは、覚えときなさい。」
高松「わかった。」
亀川「よろしい。」
ーーーー
次の日
高松「・・・」
角田「お〜い、かんぼう。」
高松「あ、え?」
角田「ぼーとするな。次の料理を作れよ。」
高松「あ、すまん。」
植村「・・・」

満腹定食 ( 2021/10/31(日) 19:43 )