金?それとも・・・
高松「・・・」
植村(お前には、可能性を感じる。)
高松「・・・」
植村(今ある可能性を潰すのは、勿体ない。)
高松「・・・」
植村(決めるのは、お前だ。)
「ちょっと?」
高松「ん?」
亀川「撮影よ。ほら、早く。」
高松「あ、すまない。」
亀川「・・・」
今日も撮影。
大将に言われたことが、ここ数日頭に残っている。
可能性ってなんだ?
〜〜〜〜
高松「あざっした。」
亀川「ありがとう。日曜日にまたここに来てね。この間の男の人が来るから。」
高松「へいへい。」
帰ろうとする。
亀川「ねぇ。」
高松「ん?」
亀川「何か迷っているの?」
高松「いいや?なんで?」
亀川「ここ数日見ない顔をしているよ。何か言われたの?」
高松「言われた。じゃ。」
亀川「待って待って。」
高松「ぐぇ。」
襟を掴まれる。
亀川「ちょっと話していきなさいよ。」
高松「ぐ、苦しい・・・」
亀川「あ、ごめん。」
高松「ゴッホ!ゴッホ!今、済ませてもらっている人から、俺に可能性を感じるって言われたんだよ。」
亀川「それは、いいことじゃない。だったら・・・」
高松「けどよ。」
亀川「ん?」
高松「俺、最初は金のために働いていたんだよ。この仕事もそうだけど。」
亀川「うん。」
高松「けど、モデルの仕事はあんまり楽しくないんだけど、今やっている飯を作る仕事は、楽しいんだよ。」
亀川「前にも言ってたじゃん。」
高松「あぁ、けど、違うことも経験しろって言われても、楽しくなかったら嫌だろ?あんたもそうだろ?」
亀川「そうね。私も人を撮るのが楽しくてこの世界に入っているからね。」
高松「だろ?可能性を感じるから他のことをしろって、なんか頭の中で引っかかってさ。」
亀川「そうね。けど、私にも君に可能性を感じるわよ。」
高松「え?」
亀川「秘めたるものを感じるのよ。できたら、そのタトゥーを消して欲しいんだけどね。」
高松「・・・」
亀川「けど、決めるのは君だよ。それだけは、覚えときなさい。」
高松「わかった。」
亀川「よろしい。」
ーーーー
次の日
高松「・・・」
角田「お〜い、かんぼう。」
高松「あ、え?」
角田「ぼーとするな。次の料理を作れよ。」
高松「あ、すまん。」
植村「・・・」