新人警察官は駆け上がる





































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番外編 その2 パラレルワールド
齊藤京子の場合
「きゃ!!」
炊事場からちょっとした悲鳴が聞こえてきた。
津田「はぁ〜、だから一緒にやりましょうって言ったじゃないですか〜。」
京子「だ、だって〜。」
最近、料理が上達したらしいから1人でしたいって、言われたので任せたら、ちょっとまぁ、やばいことになっていた。
津田「とりあえず、手伝うんで文句言わないでくださいね。」
京子「うぅ〜。」
津田「大丈夫ですよ。あの時よりは、成長してます。」
京子「なんでなんだろう。」
津田「人間って、そういうものなんですよ。ほら。」
〜〜〜〜
あの大惨事になりかけから、回復して飯を作った。
エビフライとナポリタン。
エビフライは、頭だけ残してそれ以外は、殻を剥いた。
ナポリタンは、どうにか食える形にした。
津田「いただきます。」
京子「・・・ます。」
津田「ほら、元気出してくださいよ。ほぼ京子さんが作ったんですから。」
京子「頑張っても、作れないのはおかしいのかな?」
津田「だから、さっき言いましたよね?人間ってそんなに簡単にできないこともあるんですよ。京子さんの場合は、歌やダンスに才能があって、それ以外は突出してないんですよ。」
京子「じゃ、私、できないの?」
津田「時間かければ、できますよ。俺だって最初は、焦がしたり、しょっぱかったり、色々失敗してこうやって料理できるようになったんすよ。」
京子「津田君が?」
津田「はい。俺もどうしようも無い人間でしたからね。」
京子「そうなんだ。」
津田「えぇ。ほら、冷める前に食いましょう。」
京子「う、うん。いただきます!」
津田「そうそう、その調子。」
誰だって、ものには得意不得意がある。
だからって、へこたれてやめたらできるものもできない。
それを京子さんにわかってもらえてよかったと思う。
京子「えっと、津田君。」
津田「はい?」
京子「今日・・・だめ?」
あざとくお願いされる。
津田「・・・いいっすよ。」
京子「やった!」

満腹定食 ( 2021/09/20(月) 19:30 )