新人警察官は駆け上がる





































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番外編 その2 パラレルワールド
生駒里奈の場合
[迎えに来て。疲れた。]
津田[わかりました。今から向かいます。]
はぁ〜、責任取れって言われたけど、めちゃくちゃこき使われてます。
まぁ、酒に酔っ払って初物を奪ってしまったから仕方ないか。
橋本「どこに行くん?」
津田「ん?舞台している女優さんのお迎えに。」
橋本「あぁ〜、あれは貴方が悪いものね。」
津田「わかってますよ。では、帰ります。」
タイムカードを切る。
橋本「あ、これ。渡しといて。生駒の給料明細。」
津田「はいはい。」
橋本「あと、これ。」
〜〜〜〜
とあるミュージカルホール
俺は、関係者入り口の路肩でハザードをつける。
たぶんそろそろ来るだろう。
建物の扉が開いた。
こっちに走って来る。
バタッ
生駒「疲れた〜!!」
津田「はいはい。扉閉めてくださいね。」
生駒「早く!ご飯食べたい!!」
津田「あれ?今日千秋楽じゃ・・・」
生駒「明日だよ。あと、明日送ってね。」
津田「俺、明日休みなんすけど・・・」
生駒「え?何?」
津田「い、いえ。送らせていただきます。」
こうやって使われています。
まぁ、俺が悪いから何も言えん。
生駒「ねぇ。」
津田「はい?」
生駒「責任取ってて言ったけど、本当に私を選んでよかったの?」
津田「ん〜。まぁ、そうっすね。」
生駒「本当?本当は・・・」
津田「そんなことないですよ。俺は、生駒さんがいいって思ったから選んだんすよ。それは、言わないでください。それに明日も舞台あるんすから、そっちに集中してください。」
生駒「わ、わかった。」
別に生駒さんでいいって思っていない。
俺は、この人じゃないとあかんって思ったから、生駒さんを選んだ。
生駒「ねぇ、津田君。」
津田「はい?」
生駒「明日の舞台見に来てよ。」
津田「そう言われると思って。じゃん。」
生駒「あ!私の舞台のチケット!いつの間に!」
津田「橋本さんからもらいました。」
〜〜〜〜
橋本「あと、これ。」
津田「あ、チケット。生駒さんのだ。」
橋本「頼んでおいたの。自分自身で買わないでしょ?」
津田「まぁ、はい。」
橋本「明日休みなんだし、見てきたら?」
津田「行かせてもらいます。」
〜〜〜〜
津田「見させてもらいますよ。」
生駒「あ、ありがとう!!」
津田「どわ!ちょ!今運転中ですよ!」
幸せの形は、いくらでもある。
これが俺の今の幸せなんだと思う。

満腹定食 ( 2021/09/19(日) 16:49 )