新人警察官は駆け上がる





































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番外編 戻ったら戻ったできつい
俺は、かっこよくない
今日は、TGC。
なんで、俺がここに来ているのか。
この一言からだった。
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今野(津田〜。)
津田(はい?なんでしょうか?)
今野(来週のこの日って休みだったよな?)
津田(はい、貰ってますよ。)
今野(すまないが、仕事に行ってくれ。そのあと連休で。)
津田(わかりました。で、仕事内容はなんすか?)
今野(TGCの同伴だ。)
津田(え?待ってください。俺が行くんすか?)
今野(あぁ、その日のマネージャーに就く予定だった人が結婚式に出ることになったそうでな。)
津田(断ることは・・・)
今野(今、決定しただろ?それに秋元先生からの命令だから、どっちにしろ無理だぞ。)
津田(ま、マジか〜。)
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と、言った感じで来ている。
私服でもいいって言われたが、ガラが悪過ぎるからスーツで来ている。
津田「あぁ〜、帰りたい・・・」
「私と入れるのにそんなこと言うの?」
津田「あとな?天ちゃん、周り見てみろ?俺浮いてるだろ?」
俺はスーツだが、暑かったため上着を車に置いてきた。
シャツも腕まくりしているためどこかの営業マンかと思われているだろう。
天「そうかな?私といれば、マネージャーに思われるでしょ?」
津田「私達だろ?櫻坂できているんだからよ。」
一応櫻坂のマネージャーで来ている。
乃木坂も日向坂もいるが、専属のマネージャーいるので、俺は櫻坂に回された。
津田「あぁ〜、帰りてぇ〜。」
天「そんなこと言わないで。私が歩くとこ見てよね。」
津田「はいはい。はぁ〜。」
小林「そんなこと言わずに、私たちの楽屋入れば?」
津田「それもおかしな話でしょ?だから、外で待っているですよ。」
小林「誰もそんなこと思ってないから。ほら、入りなよ。」
津田「いいです。飲み物買ってくるか。」
土生「あ、炭酸水お願いね〜。」
津田「はいはい。」
理佐「私、コーヒー。」
津田「奢りじゃないからな?」
土生・理佐「ケチ〜。」
自販機に行き、飲み物を買う。
カフェオレでいいか。
頼まれた飲み物を買う。
「あ、津田君じゃん。」
津田「あ、若月さん。お疲れ様です。」
若月「あれ、今日休みじゃなかった?」
津田「そうなんすけど、急遽出て欲しいって言われたんすよ〜。それも強制で。」
若月「大変だね。」
津田「お互い様ですよ。それよりもかっこいいですね。」
若月さんも出るって聞いてたな。
それにしても、男の俺からしてもかっこいい。
それに比べて・・・
若月「どうしたの?」
津田「え?あ、いえ。何も。では、戻りますね。」
若月「うん。次は、私についてね。」
津田「それは、今野さんとかにお願いしますね。」
軽い冗談を言いながら去る。
俺もあんなにかっこよくなりなかったなぁ〜。
津田「はぁ〜、あんな人間になりたかったなぁ〜。」
今の俺は、周りから見ればサラリーマン。
正義のために戦ってた警察官ではなく、誰かに頭を下げてる会社員。
坂道のためってわかっているが、そんなことはかっこよくない姿だろうな。
津田「はぁ〜、つら。」
櫻坂の楽屋に戻る。
津田「買ってきましたよ・・・って、おらんのかよ。」
俺は、土生さんと理佐さんのカバンの近くに飲み物を置く。
楽屋にモニターが設置されている。
今は、日向坂メンバーが歩いている。
金村さんや久美さん等々なかなかかっこいい。
津田「かっこいい・・・」
素で出たわ。
俺、呼ばれたけどここで働いて本当にいいのだろうか。
楽屋の外に出て、壁にもたれてカフェオレを飲む。
辞めるつもりはないが、かっこよくはなりたいな。
「何黄昏ているのよ。」
津田「ん?飛鳥さん?」
出番を終えたのか飛鳥さんがいた。
ランウェンを歩いた格好をしている。
飛鳥「どうしたの?」
津田「いえ、別に。」
飛鳥「嘘だね。ほら、言いなさいよ。」
津田「何にもないって。次もあるんでしょ?」
飛鳥「時間はあるから。ほら、言いなさいよ。」
うわ〜、めちゃくちゃ似てる。
一緒に住むようになってから、よく思えるようになった。
津田「はぁ〜、あんたらを見てると警察官してた方が、よかったなって。今の俺は全然かっこよくないなって。」
飛鳥「なによそれ。誰かに言われたの?」
津田「言われてませんよ。今の俺は、誰かに頭下げてる会社員。まぁ、坂道のために頑張っているけど、あの時の方が輝いていたなって。」
飛鳥「はぁ〜、あんた馬鹿?」
津田「あ?」
飛鳥「そんなこと誰も思ってないよ。誰1人して。津田君のおかげで、頑張っているメンバーがいるのわかってないの?手紙読んだんでしょ?」
そういえば、ちょっと前に色んなメンバーから手紙をもらった。
飛鳥「その子達のためだけじゃないけど、私達のために頑張ってる姿は、かっこいいよ。」
津田「そうか?俺にはわかんねぇ。」
飛鳥「少なくとも、私はかっこいいと思うよ。」
津田「ありがとう。」
飛鳥「しょげていないで、仕事してよ。」
津田「今は、待機です〜。」
飛鳥「だったら、私達の楽屋に来なさいよ。」
津田「嫌です。」
飛鳥「なんでよ!」
津田「今日は、櫻坂のマネージャーです。」
カシャッ!
津田「ん?カシャッ?あ・・・」
後を向くと、携帯を構えた若月さんがいた。
若月「あ、気にしないでね。」
津田「ちょっと待ってください。誰に送るつもりですか?」
若月「え?ななみんとか?」
津田「終わった・・・」
飛鳥「どうしてよ。私がいるじゃない?」
津田「ちょっと?これ以上油を注がないでください?」
若月「じゃ、送っておくね〜。」
津田「ちょ、ちょっと?!」
その日の夜、俺は地獄を見た。
閻魔様みたいな顔をした奈々未さんがいたとかは、言うまでもない。

■筆者メッセージ
余裕あれば、もう1話更新しようと思います。
どっちかは、気まぐれです。
満腹定食 ( 2021/09/06(月) 23:00 )