新人警察官は駆け上がる





































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第30章 酒しか勝たん!
頑張れではなく・・・
今日は、この人のお相手だ。
津田「で、俺に何をして欲しいんや?」
藤吉「・・・」
津田「黙ってても何もできないぞ?」
テーブルの対面に藤吉さんが座っている。
理由としては、2回センターを務めたが、今回の3シングルでは、3列目になったからであろう。
藤吉「3列目になった。」
津田「それで?」
藤吉「悔しい・・・」
津田「知ってる。」
藤吉「・・・」
唇に力が入っている。
それに肩もだ。
津田「そうか。で、俺は何をしたらいい?」
藤吉「立って。」
椅子から立つ。
藤吉さんも同様だ。
そして、藤吉さんは俺に抱きつく。
抱きついた瞬間に身体が震える。
津田「よしよし、大丈夫や。ファンになった奴らは、お前を見捨てないし、またセンターに戻ることを希望にしている。だから、それに答えれるように日々過ごしていけ。」
藤吉「グスッ、う、うん。」
津田「よしよし、大丈夫。俺も応援している。いっぱい泣け。」
初めて泣いているところを見たかもしれない。
藤吉さんは顔が硬いが、喜怒哀楽はしっかりしていると思う。
でも、こんなに泣いているのは初めてだな。
津田「泣いたか?」
藤吉「うん。」
目が腫れている。
津田「よし、飯にするか。」
藤吉「美味しいご飯が食べたい。」
津田「はいはい。待ってろ。」
〜〜〜〜
津田「はい。ちゃんと食えよ。」
藤吉「美味しそう。」
栗ご飯、茶碗蒸し、かぼちゃの煮物、きのこのバター醤油炒め。
津田「で、俺はこれ。」
今日の酒は、出羽桜 桜花 吟醸酒 瓶火入だ。
生酒とは違って少し落ち着いた、それでもリンゴのようなフルーティーな香りが強い。甘くてうまいと感じつつも実は辛口であるというのは生酒と変わらない日本酒になっている。
藤吉「いただきます。ん!美味しい〜。」
きのこのバター醤油炒めを食べて、日本酒で流し込む。
津田「かぁ〜!美味い!」
どの季節もそうだが、酒がうまい。
津田「ほら、しっかり食えよ。いっぱい食って寝て、明日からまたやれよ?」
藤吉「うん。津田さんのご飯食べたから頑張れそう。」
津田「そうか。俺は、頑張れって言わないわ。」
藤吉「え?」
津田「その代わり、顔を上げろ。後ろ向いたって、前向いたって、下向いてたら意味ないからな。頑張れってみんなやっていることだしな。やから俺は、これを言うんや。」
藤吉「・・・わかった。」
津田「ほんまかよ?まぁ、いいわ。ほら、俺が全部食っちまうぞ?」
藤吉「それは、やめてよ。津田さんは、食べるスピードは、異次元だからね。」
津田「なんや?俺をなんだと思っているんや?」
藤吉「カービィ?」
津田「バカにしとるやないかい!」
藤吉「えへへ。」
津田「褒めとらん!ほら、さっさと食えよ。」
藤吉「はぁ〜い!」
悲しい顔をしていたが、今は笑顔だ。
これからもこの先もちゃんと見てやらないとな。

■筆者メッセージ
誰よりも上手くて、泣けて、生きていく希望が溢れる小説・・・
これは、無理ですね〜たはは〜
生きる希望は、何かとすぐに見つかると思います。
別に小説で泣こうと思うなら、本屋に行ってもらった方がいいかなぁ〜。
ただの暇つぶしで色々考えているのでそのリクエストは難しいと思います・・・
満腹定食 ( 2021/08/09(月) 22:45 )