新人警察官は駆け上がる





































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第25章 臭いと悩みはすぐに消えない
選択肢を間違えるな
捜査本部
「えぇ〜、津田巡査の聞き込みにより、犯人の顔が模写された。それを配る。」
見ると、40代くらいの男だ。
「あ、はい!」
「どうした?」
「この男、ご遺体と一緒の会社で働いていた男性です!聞き込みに行った時見ました!」
「でかした!今から任意同行を持ちかける!」
「「「はぁっ!!」」」
事件が解決しそうだ。
これで俺は、いつもの太陽町交番に戻れそうだ。
十津川「津田。」
津田「はい。」
十津川さんに呼ばれる。
十津川「明日は、休みなさい。後は、ベテランの刑事達が事件を解決する。」
津田「わかりました。」
やっと休みだ。
交番勤務と違い、平日はずっと走り回っていた。
俺は、下っ端なので弁当の準備や布団の用意などなど色々やらなくてはいけなかった。
津田「ん?」
メッセージが入っている。
高瀬[今日は、大丈夫ですか?]
津田[大丈夫や。何時くらいに着く?]
高瀬[あと18時過ぎくらいです]
津田[分かった。仕事が終わったから、すぐに向かう。]
高瀬さんが家に来る日だ。
土日はゆっくりしたい。
〜〜〜〜
高瀬さんを迎えて家に帰る。
飯の時間を少し遅くして、話を聞く。
津田「で、話は?」
高瀬「あの、津田さんって柔道を諦めた時はどうでしたか?」
ん?もしかして?
津田「ん〜、正直嫌だったな。まだやりたい気持ちが強かったな。けど、俺は諦めざるを負えなかった。」
高瀬「そ、そうですか・・・」
こりゃ、あれだな。
津田「もしかして、日向坂を辞めたいのか?」
高瀬「いや、そうじゃなくて、そろそろどうしようかなって思って。」
津田「ん〜。」
これは、半分くらい辞めたいと思っているな。
津田「話を聞いてもらいたいって言っといて、俺に何を求めているんだ?」
高瀬「菜緒や美玖は、津田さんの言葉で元気を取り戻したって聞いたから、私も何か言葉をかけてもらえれば何か変わるかなって。」
津田「辞めたいって思うなら辞めていいんじゃないか?」
高瀬「え?」
津田「俺は、諦めた人間だから言えることだな。人気を上げる努力はしているのはわかっている。だが、人間はどこかしら諦めないといけない時があるんだよ。」
高瀬「・・・」
津田「それにスタッフやメンバーに相談していないのは、まだ気持ちに迷いがあることだ。きっぱりやめるなら覚悟を決めな。」
高瀬「・・・はい。」
高瀬さんは、俺が言った言葉で俯き始める。
津田「それに俺じゃなくてもよかっただろ。」
高瀬「津田さんなら何を変えてくれると思いました・・・」
津田「何かを変えたいって選択をしたのは正解だな。だけど、その後の選択肢は、ちょっと違ったかな。」
高瀬「え?」
津田「ここに来るまで色んな選択肢があっただろ?」
高瀬「ありました。」
津田「やろ?自分にとっていい結果に繋がっているのは、正しい選択をしたことになる。その反対は?」
高瀬「自分にとって悪い結果に繋がる選択肢。」
津田「そういうこと。辞めたいなら、ちゃんとメンバーやスタッフに相談しなって話。よし、飯にしようか。」
高瀬「あ、はい。」
俺は、飯を作る。
津田「嫌いなものは?」
高瀬「魚介類・・・」
津田「え、まじか。」
〜〜〜〜
津田「うし、完成。」
高瀬「美味しそう〜。」
豚の生姜焼き、キャベツの千切り、茄子の煮浸し、ほうれん草の出汁煮、ごぼうのきんぴら。
捜査本部から緊急司令が入るとあかんから米を食う。
津田「いただきます。」
高瀬「いただきます。ん、美味しい!」
津田「やろ?しっかり食べてしっかり寝ろ。それでどうやって生活するか考えていくんやで。」
高瀬「わかった。」
これで日向坂にいい影響が出てくれればいいんだけどな。

満腹定食 ( 2021/07/16(金) 17:37 )