新人警察官は駆け上がる





































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第24章 周りを見ろ
最初に守ったもの
俺は、杉山と平松に現在の膝の状態を話す。
杉山「マジかよ。」
平松「てか、痛くないのか?」
津田「それが全く痛みを感じないんだわ。」
杉山「津田って、ある意味変態なのか?」
平松「それは、言えてる。」
津田「馬鹿にしているだろ。」
杉山「でもよ、そのままでも警察官を続けるだろ?」
津田「そのつもりだが、走れなくなったら、辞めるつもりだ。」
平松「やめてほしくないが、津田らしいな。」
杉山「そうだよな。警察学校の時からも、現場で走り続けたいって教官に言ってたもんな。」
津田「そうだな。走れなくなったら警察官として終わりだと思っている。」
平松「でもな〜、お前みたいな警察官が増えたら、世の中変わってると思うぞ。」
杉山「言えてる。」
津田「阿呆言うな。組織行動を無視して行動している時点で、警察官としていられなくなるところもあるんだぞ?」
杉山「あ、そうだった。」
平松「俺は、冗談を言ったんだよ。杉山は、本気で捉えていたがな。」
杉山「はぁ?嘘つくなよ。」
平松「本当だわ。お前が、馬鹿すぎるのが悪いんだよ。」
杉山「んだと?!」
平松「手を出すのか?あぁ?」
また始まった。
川辺「はい、そこまで。2人には、罰としてトイレ掃除してもらいます。」
杉山・平松「えぇ〜!なんでですか!」
川辺「見てみなさい。」
交番の入り口には、おばあさんがいた。
それも杉山と平松の睨み合いを見て震えている。
川辺「トイレ掃除の前にパトロール行ってきなさい。命令です。」
杉山「は〜い。」
平松「行ってきます・・・」
2人は、パトカーに向かう。
津田「ごめんね。おばあちゃん。」
「警察官ってあんなに血の気の多い人ばっかりなの?」
津田「あの2人は、特に多いんですよ。それで、ご用件は?」
「あぁ〜、実はね・・・」
こうして仕事をこなしていく。
俺が警察官を続けようが、辞めようが俺の交友関係が悪くなるわけじゃない。
それに俺の前には守りたい人がいる。
その後ろに守った人がいる。
前を見るだけじゃなくて、後ろを見て気持ちをリセットさせてもいい。
後ろを向くことは、悪いことじゃない。
大学の時にそれに気づかされた。
だから、今の俺がある。
ーーーー
早川「・・・」
賀喜「・・・」
津田「なんだよ。」
夜勤明け、早川と賀喜さんが来た。
俺が暗いと聞いたんだろう。
早川「なんか、明るくなってる。」
賀喜「そうだね。聞いてた時よりも明るいよね。」
津田「別にいつも通りだわ。」
早川「私が元気づけようとしたのに。」
津田「どうやってだ?」
早川「秘密!!」
賀喜「こうやって聖来は、はぐらかすんだよ。なんで?」
津田「知らん。とりあえず、飯にするぞ。」
賀喜・早川「はぁ〜い!」
今日の飯は、ジャワカレーの中辛、シーザーサラダ。
お供の酒は、ヨーグルト酒。
俺はロックで、2人はソーダ割り。
早川・賀喜「いただきまーす!」
早川「ん〜!ピリ辛〜!!」
賀喜「美味しい〜!!」
津田「そうか、そうか。俺も。」
ジャワカレーの辛さが口に広がる。
それを味わって、ヨーグルト酒を流し込む。
津田「うまい。」
早川「あ、笑った。」
賀喜「山下さんと与田さんと食事した時は、しかめっ面だったて聞いてたけどね?」
早川「うん、いい顔しているよ。」
津田「偉そうに言うなや。」
賀喜さんと早川は、歯を見せて思いっきり笑う。
これが、俺が最初に守ったもの。

満腹定食 ( 2021/07/13(火) 22:06 )