新人警察官は駆け上がる





































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第21章 飯の時くらいは笑顔でいろ
鶴の一声
テーブルに金村さん、小坂さんが座りその対面に茜さん、理佐さん、小林さんが座っている。
空気は、めちゃくちゃ凍りついている。
俺は、炊事場でその様子を見ている。
津田「コーヒーかココアか紅茶、どれがいいっすか?」
小林「コーヒーで。」
理佐「私も。」
金村「・・私も。」
小坂「ココアで。」
茜「私は、紅茶で。」
津田「はいはい。」
言われたものを準備して淹れる。
茜「ねぇ、美玖ちゃん。」
ビクッと身体を動かす。
茜「津田君のことよく思ってないって、本当?」
あ〜、そう言うことね。
外から見れば、知らない男と女が一緒に住むのは、世間の目からしてよろしくないな。
金村もその1人だったんだろう。
そのまま、テーブルに頼まれた飲み物を置く。
理佐「久美ちゃんから聞いてないの?友香からいい人だって?」
金村「いえ、その・・・」
まぁ、先輩たちにそんな怖い目で見られたらすぐに言えないよな。
その気持ちはよくわかる。
俺も中高の先輩が俺のことを嫌いすぎてめちゃくちゃされたから話すことが嫌だったのと同じだな。
金村「菜緒が変なことをされてないかって思いました。正直、始めてあった時も印象が・・・」
3人の目がさらに鋭くなる。
小林「美玖ちゃん、それを誰かに言ったの?」
金村「楽屋にいたメンバー全員聞いています。」
理佐「そんなに津田さんを悪者にしたかったの?」
金村「・・・」
小坂「美玖は、私のことを心配して言ってくれたんです。だから・・・」
茜「だけどね、菜緒ちゃん。津田君を知らないメンバーからしたら、津田さんはただの悪者になるじゃない?」
金村「・・・」
小坂「で、でも・・・」
これ以上は、金村さんがやばい。
俺は、冷蔵庫からあるものを出す。
乃木坂さんに出したこともあるレアチョコレートケーキ。
津田「はい、これ食べて落ち着いてください。」
茜「あ、ありがとうございます。」
理佐「え?チョコ?」
小林「見たことない。」
小坂「いただきます。」
金村「・・・」
重い空気が、少し明るくなる。
茜「美味しい!」
理佐「ヨーグルトみたい!」
小林「濃厚〜。」
3人が笑顔になる。
俺は、小坂の隣に座る。
津田「御三方、そんな怖い顔をしなくてもいいですよ。金村さんも反省していますし。」
茜「で、でも!」
津田「それに金村さんの反応が正しいんですよ。茜さんたちも森田さんや天ちゃんが何も知らない男の人と1つ屋根の下で住むのはどう思いますか?」
理佐「絶対に嫌。」
津田「それと一緒ですよ。だから、許してあげてください。」
小林「ですけど・・・」
津田「じゃ、飯と酒なしにしますよ。」
茜「あ!それはなし!!」
津田「だったら、許してあげてくださいね。ふんじゃ、カップと皿を片付けますね。そろそろ飯の準備します。」
小坂「私も手伝います。」
金村「あ、私も。」
津田「じゃ、2人は洗い物して。俺は飯作るわ。後、御三方。」
茜・理佐・小林「はい?」
津田「飯の時も怖い顔したら酒と飯没収ですからね。それだけは、頭入れといてくださいね。」
理佐「う・・・」
小林「はい・・・」
茜「美玖ちゃん。」
美玖「はい・・・」
茜「次、そんなことしたらわかってるよね?」
美玖「・・・はい。」
津田「はい、終了。飯作りますよ〜。」
茜「今日は、何作るの?」
津田「牡丹鍋です。」
理佐「本当?!食べたかったんだよね!」
小林「手伝うことある?」
津田「えぇ〜、野菜切っといてください。ガスコンロ用意しときます。」
重苦しい空気はなくなり、和やかな雰囲気で鍋をつつく。
〜〜〜〜
風呂から上がり、茜さんたちは用意した部屋で楽しく話していた。
俺は、家計簿をつけている。
え?坂道運営に何に使ったか報告しろと言われてるからだ。
トントン
津田「はい?」
金村「津田さん、入っていいですか?」
津田「いいぞ?」
金村さんは、パジャマ姿で俺の部屋に入ってきた。
津田「どうした?」
金村「あの、その・・・」

■筆者メッセージ
追記ー
大園桃子さんが卒業発表しましたね。
いや〜、正直びっくりしています。
満腹定食 ( 2021/07/03(土) 16:53 )