新人警察官は駆け上がる





































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第17章 それでも酒を飲む
怒るより諭す、そして考えさせる
茜「天ちゃんのことありがとうね。」
津田「いえいえ、それにここに来てよかったんすか?」
茜「まぁ、たまたま休みだったからね。」
茜さんが部屋に来た。
天ちゃんの件でお礼を言いに来たらしいが、もう一つ来た理由がある。
茜「もう1人来るんだけど、ラジオの収録に時間がかかっちゃってるみたいで・・・」
津田「いいんすよ。で、天ちゃんはどうです?勉強してますか?」
茜「うん。あれから、しっかり取り組んでいるよ。津田さんのおかげですね。」
津田「そんなことありませんよ。自分で考えて勉強してくれるなら俺は何も言いません。」
茜「津田さんって警察官より指導者の方が向いていると思いますよ?」
津田「え?」
茜「だって、天ちゃんもそうだけど葵の時も、お酒のことで注意したって聞いたわよ。」
津田「えぇ。大人びたことはしない方がいいって言いましたよ。」
茜「それも津田さんが経験したから言えるんだから、教師とかになった方がいいと思って。」
津田「大学入った時は考えていましたが、説明会に参加して聞きに行って俺には、向いてないって感じましたね。」
茜「なんで?」
津田「生徒達に教えるものがないって思ったからですね。」
茜「そう見えないんだけど?」
津田「まぁ、色々あるんすよ。」
茜「ん〜。じゃなんで、そうやって教えれるの?」
津田「教えているってより自分が感じたことを伝えているってことですね。」
茜「と言うと?」
津田「興味のある人だけどうぞってことですね。教えるって相手全員に教えないといけないでしょ?」
茜「学校がそうだったからね。」
津田「それができないって思えたんですよ。だから、考え方が合う人だけに伝えて、考えてもらうって。」
茜「なるほどね〜。」
津田「だから、俺は怒るより諭して、その後に自分で考えてもらうんですよ。そうすれば、後々自分のために考えれるようになるんですよ。」
茜「津田さんってやっぱりすごいね。」
津田「すごくないですよ。俺は、ただの警察官です。」
茜「謙遜しないでよ〜。」
ちなみに茜さんは、酒が入っている。
子宝のさくらんぼ梅酒。
俺は、子宝のヨーグルト酒を飲んでいる。
ピンポーン
茜「私が出るね。」
津田「すいません。お願いします。」
今日は、鍋ではなく辛口カレー。
ちょっとの間楽をしたいと思ってカレーにした。
「お、お邪魔します。」
津田「いらっしゃい。大沼さん。」
大沼「あ、え、この間は、本当にありがとうございました!」
深くお礼をする。
津田「それが俺の仕事だ。ご飯は?」
大沼「まだです。」
津田「カレー食べる?辛いの大丈夫?」
大沼「いいんですか?!」
津田「まだあるから大丈夫やで。」
大沼「いただきます!!」
津田「ちょっと待ってて。」
カレーを出す。
ついでにヨーグルトソースも出す。
大沼「これはなんですか?」
津田「ヨーグルトソース。辛いと思ったら入れてね。まろやかになるから。」
大沼「わかりました。いただきます!ん!!美味しい!けど、ピリッと来ますね!」
茜「カレーは逃げないからゆっくり食べなさい。」
大沼「はい!」
茜「津田君、私もヨーグルトちょうだい。」
津田「どっちすか?」
茜「お酒。」
津田「わかりました。」
大沼「え?!お酒も作っているんですか?!」
津田「ブッ!」
茜「ワッハッハ!お酒は買ってあるのよ。もう〜、お馬鹿なんだから。」
大沼「あ・・・」
顔が赤くなる。
津田「まぁ、気にするな。増本よりマシだろ。」
茜「言えてるね。ほら、カレー食べよ。」
大沼「はい!」
茜さんは、姉貴よりお姉さんだな。
番組では軍曹って言われているけど、優しい人なんだって感じた。

満腹定食 ( 2021/06/24(木) 19:34 )