新人警察官は駆け上がる





































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第12章 俺の身体はビールで出来ている
遅めのクリスマス
繁華街の街路樹や店の前に電飾がつけられている。
そう、今宵はクリスマス。
津田「はぁ〜、保田さんが休み取ったから俺が夜勤かよ〜。」
村井「まぁ、家族を持っているからな。それにこんな日に暇な奴はお前だけだろ?」
津田「ぐぅ・・・」
保田さんは、家族でクリスマスを過ごすために、熊谷さんはプロポーズするために有給を取った。
村井さんは、休みを取ってもよかったが、奥さんと子供がクリスマス会に行くことになったことで夜勤に入っている。
俺?何もないから夜勤を入れられた。
津田「はぁ〜、一人で酒飲んでゆっくりしようと思ったのに〜。」
村井「今日終わったらゆっくり飲めるだろ。ほら、しっかりしろ。」
津田「はぁい。それじゃ、パトロール行って来ます。」
村井「気をつけろよ〜。」
〜〜〜〜
津田「はぁ〜、疲れた〜。」
夜勤を終えて、家路に着く。
あのあと、クリスマスのカップル同士が喧嘩をして、血が流れることになり、慌ただしくなった。
夜勤の時間に終わらず少し長引いてしまった。
津田「眠い・・・、風呂入って寝るか・・・」
ピンポーン
津田「あぁ?」
誰か来た。
帰ってきたまんまの姿で玄関へ行く。
津田「誰で・・・えぇ〜。」
この人も1年ぶりだな。
「お久しぶり。大丈夫?クマできているけど?」
津田「今日、夜勤明けなんですよ。」
「あぁ〜、ごめんね。どこかへ行ったほうがいい?」
津田「いえ、部屋にいてください。堀さん。」
堀「大丈夫なの?」
津田「3時間くらい寝させてください。それで行けるはずです。」
堀「だったら、何か買ってくるわよ。」
津田「あ、お願いしてもいいですか?」
堀「もちろん。こっちは、訪ねてきた身なんだから。」
津田「それじゃ、鍵は渡しときますね。それじゃ風呂入って仮眠します。」
堀「わかった。今から行ってくるね。」
堀さんは、スーパーへ買い物をしていく。その間に風呂に入り、仮眠をとる。
〜〜〜〜
津田「ん〜、堀さんは・・・。」
目を覚ますと堀さんはソファーに座り、タブレットでドラマを見ていた。
津田「おはようございます。」
堀「おはよ〜。寝れた?」
津田「はい、材料は?」
堀「冷蔵庫に入れておいたよ。何作る?」
津田「材料見てからですね。」
冷蔵庫を見る。
あれ?
津田「えぇ〜、これって・・・」
堀「去年のクリスマスで作ったって西野さんから聞いたの。」
津田「西野さぁ〜ん。」
まさかの鶏丸々1匹。
けど、弱音はここまで。
津田「うっし!作るか!」
堀「切り替え早いね〜。」
津田「まぁ、前に作ったんで。手伝ってくださいね。」
堀「もちろんだよ。」
津田「それじゃ、やるか。」
〜〜〜〜
津田「うっし、終わった〜。」
カレーローストチキンにじゃがいもピザ、アボカドとトマトのサラダ、ブロッコリーとマッシュルームのアヒージョを作った。
堀「久々に凝った料理作っちゃった。」
津田「俺もですよ。」
堀「ここは、ビールでもいいけど赤ワイン買ってあるよ。」
津田「お?!飲みます!」
堀さんが買ってきた赤ワイン飲む。
ワイングラスはたまたま買ってあるのでこれを使う。
堀「それじゃ、乾杯。」
津田「乾杯!」
赤ワインを飲むのは、何年ぶりだろうか。
津田「ん〜、美味い。」
堀「よかった〜。津田さんってビールやサワー、焼酎しか飲まないイメージだったんだけど・・・」
津田「まぁ、あまり好んで飲みませんね。ワインとかウイスキーとか飲むと眠くなるんですよ。」
堀「へぇ〜、そうなんだ。」
津田「まぁ、こういう時に飲むのはいいですね。」
ワインと一緒に料理を食べる
いや〜、何かいい。
津田「これがクリスマスか・・・」
堀「どうしたの?」
津田「いや〜、何かと縁がなかったので。」
クリスマスっていい日だな。

満腹定食 ( 2021/06/13(日) 21:24 )