静かな夜にパトカーのサイレンが鳴る。
『そこの車！止まりなさい！』
唸るエンジン音。
ド派手な音楽。
津田「はい、はい、わかりました！そちらに向かいます！駒田さん、乃木坂中央町のショッピングモール付近を通過したと連絡がきました。なので・・・」
駒田「乃木坂運動公園の大通りに行けばいいんだな。行くぞ。」
津田「はい！！」
俺たちが乗っているパトカーもサイレンを鳴らす。
追い込んで絶対捕まえてやる。
〜〜〜〜
うるさいエンジンが聞こえてくる。
津田「来ましたよ。」
駒田「よし、かかったな。」
パトカーで道路を塞ぎ進路をなくしている。
それにまんまとかかり、ここへ来たのだ。
違反車は、俺たちが乗っていたパトカーの前で止まる。
「くそっ！！」
警察A「はい、道路交通法違反で逮捕ね。」
警察B「ご協力ありがとうございました！」
駒田「いえいえ、お互い様ですよ。」
津田「では、パトロールに戻ります！」
この作戦がうまくいき、続々と違反車を減らしていけているのだ。
『ジッ！こちら！坂道機動隊！至急！応援を要す！』
津田「駒田さん、来ましたよ。」
駒田「たく、年寄りをこき使いやがって。ほら！行くぞ！」
津田「はい！」
俺たちの夜はまだ続く。
ーーーー
津田「ふぁ〜、眠い。」
夜勤を終えて、疲れなのかめちゃくちゃぐっすり寝てた。
あのあと違反車を3台も捕まえた。
うまくいっているのは、いいことだがずっと続くわけではない。
相手も逃げる術を探しているはずだ。
上の人たちもいろいろ考えているから、その心配はしなくていいか。
津田「ふぁ〜、飯作るか。」
リビングに行くと・・・
飛鳥「やっほ〜、来たよ。」
「お邪魔しています。」
飛鳥さんともう1人が、ソファーに座ってテレビを見ていた。
津田「何してんすか？」
飛鳥「たまたま休みになったから来たの。それでこやつもっと思って。」
「遭うのは3回目ですね。梅澤美波と言います。飛鳥さんがいいチートデイができると聞いてきました。」
あ、そういえば、チョコレートケーキを食べてもらった時やライブでも背の高い人がいたな。
津田「どうも。で、飛鳥さん。何を作ればいいんすか？」
飛鳥「う〜ん、揚げ物か丼が食べたい。お酒はいらないよ。」
津田「わかりましたよ。うっし。」
梅澤「材料は冷蔵庫に入れておきました。私もお手伝いしましょうか？」
津田「あ、いいですか？両方作るつもりなんで下拵え手伝ってください。」
梅澤「わかりました！やらせていただきます！」
〜〜〜〜
津田「はい、お待ちどう。」
今日作ったのは、高島とんちゃんだ。
滋賀県の郷土料理らしく、味付けは赤味噌だという珍しい料理だ。
それを唐揚げと丼にしたのだ。
これだけだと重くなるので、コーンスープとわかめとオクラのサラダを作った。
飛鳥「いただきまーす！」
梅澤「あ、飛鳥さん！！」
津田「いいんすよ。梅澤さんもお先にどうぞ。」
梅澤「え？いいんですか？」
津田「俺には、これが必要なんで。」
今日飲むビールは、ディレイラブリューワークス NIGHT RIDER ROUTE26。
5種のホップを贅沢に使い、フルーティーかつ苦味をごりなく調和させ、南国の花の香りもそこはかと漂うビールだ。
津田「くぅ〜！うまい！」
飛鳥「本当にビール好きだよね。」
津田「まぁ、そのためにビールサーバー借りたんですから。」
梅澤「あの時のことって聞きましたか？」
津田「あぁ〜、早川から聞きましたよ。」
橋本さんと一夜を過ごしたあのこと。
伊藤さんと飲み勝負をした後、さらに酒を飲み、俺の部屋に来たメンバーのことを楽しく嬉しそうに喋っていたそうだ。
何より、「俺の料理を食べて悲しい顔をする人はいない！」と宣言していた。
そのあと潰れて、スタッフ2人に部屋に連れて行かれたそうだ。
その時、橋本さんも飲み過ぎたと言い出して俺の部屋で寝たという話だったそうだ。
津田「焦りましたよ。隣に下着姿の橋本さんがいた時は。」
飛鳥「けど、ななみんにそのことを聞いたら、満更でもなさそうだったよ。」
梅澤「そうですよね。何か、達成した感じが・・・」
津田「ちょっと待てよ？俺は、何もしていないはずだぞ？」
あの部屋で起きた時は、スエットパンツにTシャツの姿だったはず。
けど今の話を聞くと、やってしまったかも・・・。
津田「はぁ〜、最悪や・・・」
飛鳥「まぁ、いいんじゃない？ななみんも結婚を考えてるし、付き合えば？」
津田「そこまで考えてませんよ！はぁ〜、まぁ飲んで忘れよ。」
梅澤「また潰れないでくださいよ？」
津田「明日も仕事ですからそこまで飲みません！！」
外で飲むは、マジで気をつけようを思ったわ。
あと、橋本さん怖い。