第2章
05
「じゃあ、鷹斗君行こっか。」
「はい。」

鷹斗は杉原と一緒にレストランに向かっていた。あの後、数時間程度杉原は寝ていた。鷹斗もベッドで横にはなっていた。しかし、鷹斗は寝ている杉原を見て思わず…

(やっぱ凄い胸してる…あかん、どうしても目がそこに…)

見ないようにとは思っているが、つい気になってしまった。結局鷹斗はウトウトも出来ず、少し興奮した状態だった。

(ほんの数時間だけど、なんか…凄い得した感半端ない。杏璃さんの胸…どんな感じなんだろ…あかん、変な妄想ばっか膨らむ。)
「鷹斗君どうしたの?」
「あ…いや、別に何も無いです。」
「そう…また私の事考えてくれてたの?」
「え…まぁ…そうですね。」
「優しいな鷹斗君は。もう、可愛すぎ。」

杉原は鷹斗の頭を撫でまくった。あまりされた事がない鷹斗は、嬉しかった。

(あの杏璃さんに頭撫でられた…)

少し放心状態になってしまったが、2人はレストランに到着した。

「バレないですよね?」
「大丈夫だって。逆に鷹斗君がキョロキョロし過ぎると、怪しまれるよ?」
「そう…ですね。」
「鷹斗君、遠慮なんかしなくて良いから、好きなもの食べてね。」
「良いんですか?でも…杏璃さんと一緒なんで、緊張であまり食欲が…」
「鷹斗君可愛すぎ。杏璃好きになっちゃうじゃん。」
「え…」
「じゃ、私が頼むね。すいませーん。」

鷹斗は思わず杉原の言葉に耳を疑った。今間違いなく『好き。』と言った。もう一度聞き返せば良かったが、聞き返す間が無かった。

(杏璃さん今…“好き”って言ったよな?俺に対して…いや、何に対して…あかん、さっきから妄想ばかり…大丈夫か俺?)

鷹斗の思考回路はショートしかけていた。

夜明け前 ( 2018/12/20(木) 18:05 )