04
「はぁ…まさか今日で見納めになってしまうとは…満足しないまま返すのか。」
嘆きながら鷹斗は家へと向かっていた。弘のミスにより、昨日貰ったビデオを返さなくてはならなくなった。昨日早々に見たが、母が帰って来た為半分も見れていない。それに、慌てていた為電源も切ったのだ。
(結局昨日何処まで見たか全く覚えてないんだよなぁ…)
「なんだかなぁ…」
ため息をつきながら、鷹斗はようやく家に到着した。何時になく足取りが重かった。
「ただいま。」
「あら鷹斗早かったわね。」
「母さんどっか行くの?」
「そうよ。だから、帰り遅くなるから自分で済ませてね。」
「わかった。」
「じゃあ後は頼んだよ。」
そう言うと母は出掛けて行った。因みに鷹斗の家は母と二人暮らしだ。中学の時に両親が離婚し、鷹斗は母と暮らす事にしたのだ。それはともかく、母は出掛け今家には鷹斗一人だ。
(これでビクビクせずビデオ見れる。良かった…)
鷹斗は着替えを済ませ心置きなく、ビデオをまた一から見始めた。
(やっぱりエロい。また暇な時自分で買おうかなぁ…)
なんて思っていると…
「ん?これ何だ…ビデオの特典か?」
その特典にはなんと…
「え…イベント!?何時だ、今度の土曜じゃん!行きたいなぁ…けど、母さんにどう言えばいいんだ?」
鷹斗は特典だけポケットに入れ、ビデオを見終わると学校用のカバンに入れた。