06
「ここか、これで中入ったらまさかの麻友とかだったら…ややこしくなるな。」
優希はようやく部屋に到着し中に入った。果たして美桜はいるのか?それともこの部屋に麻友がいるのか?
「あれ?あ…中にまだドアがあるパターンね。」
気を取り直し、優希はドアを開けた。
「え…」
「優希君、遅かったね。」
「あ…あれ?」
優希は一旦入り口に戻った。そして部屋の番号を確認する。
「美桜ここだよな?何で麻友がいる?」
優希は頭をフル回転させた。まさか美桜にいっぱい食わされたか?
「はめられたか?」
「優希君何してるの?」
「何で麻友がいるの?」
「いたらだめ?」
「だめというか…別々じゃなかったのか?」
「優ちゃん遅〜い。」
奥から美桜が来た。どうやら美桜はもうシャワーを済ませたようだ。
「美桜、何で麻友いるの?」
「だって悠太君いないのに麻友ちゃん1人って可哀想じゃん。だから、一緒の部屋にしよって。」
「別の部屋だったんだけど、美桜ちゃんがね…」
実は優希が部屋へ向かう数分前…
「ねぇ麻友ちゃん。」
「何?」
「やっぱ一緒の部屋にしよ?」
「一緒って…優希君いるのに?」
「麻友ちゃん1人じゃ可哀想だよ、優ちゃん別に気にしないと思うし…麻友ちゃんどう?」
「美桜ちゃんがいいなら…」
「よし決まり!」
そして優希が部屋に到着し中に入ったが、美桜はシャワーを浴びており出てこれず…だから、優希は麻友がいたのに驚き入り口に戻ったのだ。
「そういうことなら俺に言えよ。」
「いいじゃん別に。優ちゃんサプライズ好きでしょ?」
「心臓に悪いサプライズは嫌いだ。」
「優ちゃんそう言わないでさ。あ、麻友ちゃんシャワーいいよ?」
「ありがと。じゃ、私入るね。優希君覗かないでよ?」
「覗かねえよ。」
「優ちゃんほんとかなぁ…」
「お前が疑ってどうする?」
麻友はシャワーを浴びに行った。
「ふぅ…ラブホなんて久々。」
「だろうな。」
「ねぇ優ちゃん。」
「何?」
「例の件話した?」
「あ…まだ誰にも。」
「優ちゃん早く言ってよ?」
「う…うん。」
卒業式までまだ3週間ほどあるが、優希はまだ“例の件”を伝えきれずにいた。