03
「向井地優希だな。」
「ん?」
優希は名前を呼ばれ振り向いた。すると後ろには初めて見る女子生徒がいた。
「誰あんた?」
「向井地優希、女子の名前を覚えないとはどういうことだ?」
「は?」
(なんだこいつ、感に触る奴だなぁ…)
優希はイラッとする言葉を言われるとつい顔に出てしまう。それを見た女子が睨み返した。
「女子を睨むとは考えられん。」
「さっきからガミガミうるさいな。」
「岡田さん…」
「真央知ってるの?」
「知ってるも何も、前生徒会長の岡田さんだよ。」
「岡田さん…あ、岡田奈々さん?」
真央に言われ愛佳も気付いたようだ。しかし、優希や悠太らはピンともきてなかった。
「そんな子いた?」
「いたじゃん。見た目そのままの子じゃん。」
「生徒会とか全く興味がなかったし…寧ろ名前なんかもっと興味なかったし。」
「向井地、話し方少しは直したらどうだ?」
「あ?なんだよさっきから…せっかくの昼ご飯が台無しだろ?」
「はっきり言う、お前みたいな奴は嫌いだ。」
「あっそ、俺も嫌いだし。偉そうに次から次へとガミガミうるさいしな。邪魔だ邪魔。」
岡田はムスッとしながら優希達から去って行った。
「なんだよあいつ、偉そうに言いやがって。」
「まあまあ優希落ち着いて。」
「元生徒会長だからって調子に乗るんじゃないっつうの。」
「確かに岡田さん言い過ぎてるとこはあるけど、優希も負けないくらい言ってたよ。」
「あー腹立つ。せっかくの昼ご飯が台無し!自販機行ってこよ、イライラする。」
「待てよ優希、俺も行くから。」
優希はイライラしながら自販機に向かった。尚も後について行った。
「今度は岡田さんと一悶着ありそうだね。」
「うん。あんだけ嫌ってたし、もう…優希って面倒なこと呼ぶよね。」
「仕方ないといえば仕方ないけど、俺らを巻き沿いにするのはごめんだな。」
「その逆もあるけど。」
「確かに。」
悠太達はそう言うとまた昼ご飯を食べ始めた。