04
「よかったな尚、お前の母さん無事でさ。それに、わだかまり解消できたし。」
「ひょんなことで解消できるなんてな。」
優希と尚は病院を後にし、家に向かっていた。尚と尚の両親とのわだかまりはようやく解消し、尚はまた自分の家に戻ることにした。
「ずっと優希の家や咲良ちゃんとこにお邪魔しても、迷惑だろうし申し訳ないから。」
「俺は別に構わないけどな。けど、俺は良くても親父とかはなぁ…」
「うん。」
「さ、着いた。ただいま母さん。」
「あら、おかえり。随分早かったわね、仲直りはできたの?」
「うん、おかげさまでね。ま、まさか尚の母さんが癌だとは思わなかったけど。」
「あら…大丈夫なの?」
「ええ。転移したとこだったけど、多分大丈夫だってさ。」
「そう…」
その夕方、優希と尚は外へ出た。と…
「お…優希と尚じゃん!」
「悠太、それにみんな。」
学校からの帰りだった。
「で、出校停止中の気分はどうだ?」
「全く…馬鹿にしやがって。」
「まあ…近々出校停止が解かれるだろうし…我慢しろよ。」
「後は、尚の両親とのわだかまりは?」
「解消した。」
「え?そうなの?」
「ああ…まぁ今はそんなとこじゃないんだけど…」
「何かあったの?」
優希は尚の母親のことを話した。みんな驚くしかなかった。
「まじかよ…で、手術はいつだよ?」
「まだわかんない。けど、近々あるだろうな。」
「尚君大丈夫なの?」
「あれ…咲良ちゃんも?」
「途中から聞いてたけど、尚君のお母さん癌大丈夫なの?」
「大丈夫だよ咲良ちゃん。」
「よかった…尚君今日家来れる?」
「え…う、うん。」
「行ったれよ尚、もう何も隠すことないだろ?」
「優希…」
「お前にとって咲良は、大切な人なんだろ?」
「全く…幼馴染のお前が言うとは思わない台詞だな。そうだな、咲良ちゃんちょっと遅れるけど行くよ。」
「わかった、待ってるね。」
咲良は帰って行った。
「さて、俺らも帰るか。尚、咲良ちゃんと楽しい夜過ごせよ。」
「こら悠太!あんたちょっとは謹みなさいよ。」
「ごめん…」
「あはは…」
(ある意味、悠太と愛佳はいい関係かもな。)
そしてみんなそれぞれ帰って行った。