第6章
03
「お義姉ちゃーん。」
「ちょっと待って優希、お義父さん言ってたでしょ?」
「はーい…」
(お義姉ちゃんと遊びたいのに…)

優希は優子がほんと好きだった。お姉ちゃんがいないだけに、すごい嬉しかった。優子も優子で優希が可愛いから、すぐ付き合ってしまうのだ。実は優子のとこは1人っこなので下や上がいなかった。だから、優希が初めての弟だった。血は繋がってはないが…

「お待たせ優希、何して遊ぶ?」
「お義姉ちゃんと?うーんと、かくれんぼ。」
「かくれんぼ?いいよ。」
「優希だめよ、家でバタバタしたら危険だから。」
「えー…何でー?」
「じゃあ優希、外で遊ぼうか?」
「うん。」
「優子ちゃんいいのかい?」
「ええ。ちゃんと面倒見ますんで。」
「すまないね。優希、お義姉ちゃんに迷惑かけちゃだめだよ。」
「はーい。」

優希は優子と遊びに出掛けた。すごいウキウキしてたので、燥ぎまわってた。

「優希危ないよ、ちゃんと手を繋いで。」
「はーい。」

公園に着くと優希はブランコや滑り台で遊んでいた。優子はベンチに座って優希の遊んでる姿を見ていた。

「お義姉ちゃーん。」
「ちゃんと見てるから大丈夫よ。」

その後も優希は遊び続けた。でも、流石に優子もこっちに来たばっかなので、ウトウトし始めた。が…

「うぇーん…」
「何?優希どうしたの?」
「転んじゃった…」
「もう…お義父さんが『迷惑かけちゃだめ。』って言ってたのに。」
「痛いよー…」
「よぉーしよぉーし、痛いね痛いね。じゃ、おんぶするから帰ろうか。」
「うん…」

優子におんぶされながら家に帰った。

「ただいま。」
「おかえり、優希どうしたのその傷?」
「どうも転んじゃって、大丈夫ですよ。私が見てなかったのが原因なんで。」
「そうなの?ごめんねほんと、後で優希に叱っとくから。」
「怒らないでください、優希は悪くないので。」
「もうほんと優子ちゃん優しいね。」
「優希寝ちゃってますね。」

優希は遊び疲れて寝てしまった。優子は優希を部屋に寝かせると、優子も一緒に寝た。今では考えられない優希の姿だ。

■筆者メッセージ
優希の若かりし頃です。
夜明け前 ( 2017/12/26(火) 10:02 )