第6章
02
そして夕方、優希と優子は車に乗って出掛けた。2人きりでの買い物とかはほんと久しぶりだった。

「でもさ優希、あんたほんと逞しくなったわね。」
「そうかなぁ…あまり実感ないなぁ。」
「それに彼女がいたなんてね。今年なの?」
「夏休みにね。前に1回フッた子なんだけど、ずっと好きでいてくれてさ。」
「羨ましいわ。まさかのあんたが同い年の子と付き合うなんてね。私のことが好きだったのに…」
「え…義姉ちゃん知ってたの?」
「知ってたわよ。あんた小さい時、ずっと『お義姉ちゃんお義姉ちゃん。』って言ってたし。」
「知ってたんだ…」

優希にとって優子は初恋の人だった。まだ優希が小学生の時だ。元々優子は親戚のとこだった。しかし、東京に1人でやって来た。

「優希、優子義姉ちゃんが来たぞ。」
「え?優子義姉ちゃんが?わーいやったやったー!」

1人で来たといっても、まだ優子は中学を卒業したばっかだった。

「叔父さん久しぶり。優希は?」
「お義姉ちゃーん!」
「あら優希、元気だね。」
「お義姉ちゃん遊ぼ?」
「こらこら優希、お義姉ちゃん来たばっかだから休ませなさい。」
「はーい…」

この時の優希は今と違う性格だ。ちなみに美音も生まれてはいたが、まだ赤ちゃんだったので、母親の実家に預けていた。

夜明け前 ( 2017/12/25(月) 20:12 )