第1章
05
「ルンルルンルルーン…」
(やけにテンション高いなぁ…こんな美桜初めて見た。)

夕方、用事を済ませた美桜は優希を連れて買い物デートしていた。ウキウキの美桜は優希を置いて先に歩いていた。優希は美桜について行くのに必死だった。

(美桜早い…ついて行けん。)
「ちょ、美桜…」
「優ちゃん大丈夫?」
「大丈夫じゃねえよ、やけにテンション高くないか?」
「だって…優ちゃんがどんなサンタの格好だったら、喜ぶかなぁって…」
「俺のことは気にしなくていいんだけど…」
「何で?優ちゃん私のサンタ姿見たくないの?」
「それは…見たいけど。」
「ならいいじゃん、優ちゃん行くよ?」
「え…あ、うん…」

その後も転々と探し廻り、ようやくお目当の服が見つかったようだ。

「優ちゃん、来て来て。」
「見つかったのか?」
「これどうかな?」
「う〜ん…一回来てみたら?」
「うん。すいませーん、これ着たいんですけど…」

店員さんに案内され、美桜は試着室で着替えに行った。優希は買う予定はないが、服を見ていた。

「優ちゃんいる〜?」
「いるよ。」
「いい?」
「いいよ。」

美桜が着た服に優希はつい見惚れてしまった。

(か…可愛い。)

美桜のサンタ姿はお腹がかなり見えてる格好だった。あまり見ない格好なため、優希はつい見惚れてしまったのだ。

「どうかな優ちゃん。」
「う…うん、いい…と思うよ。」
「優ちゃん顔赤くない?」
「そんなことねえよ…」
「照れちゃって…」
「これ買うのか?買うなら俺が出すから。」
「ほんと?じゃ、お願いしまーす。」

店から出た後、美桜は優希の腕にくっついていた。またさっき以上にウキウキになっていた。

「優ちゃんありがとねー。」
「これくらいしないとな、それよりあの格好…」
「あの格好…何?」
「べ…別に。」
「また照れちゃって…優ちゃん、一足早くクリスマス迎えちゃう?」
「何言い出すんだよ?」
「んふふ…行こ?」
「わかったよ、我儘サンタさん。」
「ぶぅ…」

優希は我儘サンタ…いや、美桜を連れて例の場所へ…

夜明け前 ( 2017/09/13(水) 10:45 )