美しい桜と音-2学期編-










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第8章
05
(はぁ…何でまた呼ばれないといけないんだよ…)

優希は頭をかきながら職員室に向かっていた。あの後、ばったり珠理奈と会ってしまい『放課後職員室に来てね。』と言われたのだ。

(何でまた俺なの?今回は悠太何も話してなかっただろ…差別だよなどう考えても…)
「はぁ…」

職員室前についても、優希は全然納得いってなかった。寧ろこれはイジメじゃないかと…優希はそう思った。

「失礼します…」
「来たね優希君、こっち来てくれる?」

職員室の別の部屋に呼ばれたが、優希はイライラしていた。

(もう…ほんと納得いかん…)
「ごめんね優希君、呼び出して大丈夫だった?」
(謝るゼロな癖に…)
「別に大丈夫ですけど…」
「呼び出したのはね、私優希君のことがよく知りたいの。」
「何言ってるんです?」
「私ね…優希君の噂を聞いたことがあるの。知ってる?」
(俺の噂?前に愛佳と付き合ってるって噂流れてたけど…それ以外に噂なんてあったか?)
「いや全く…」
「そっか。なら、噂教えてあげる。優希君…あなた、彼女がいるのに他の子に手を出してるみたいね?」
「え…」
(何で先生が?てか、誰か言ったの?)
「その反応だと、事実みたいね。」
「それは…」
「彼女さんいるのに何で他の子と?それに先生とも一線越えてるんでしょ?」
(この先生…なんだ?どこまで知ってんだ?誰かが言ったのか?いつバレてもおかしくないとは思ってたけど…それか、誰か見ててそれを…それで呼ばれたわけ?)
「何でそれを…」
「優希君が誘ったの?」
「それはないです。向こうから…」
(もう隠しても無駄だ。)
「ならこの噂はほんとなのね。」
「はい…内緒にしてもらえます?」

隠しても無駄だった。一体誰が話したのか、それとも見てたのか?何にしてもわからない…

「そうね…認めたわけだし、わかったわ。ただし…確認したいことがあるの。」
「確認…ですか?」
「優希君ゴムって…使ったの?」
「ゴム…ゴム…」
(ゴムってあれだろ?使ってるというより持ってない…)

優希は首をふった。それを見て先生はため息を吐いた。

「誘われたからって何もなしはだめよ?」
「それは…そうですね…」
「わかったわ、ならまた明日放課後残って、補習よ?」
「補習?なんの…ってあれでの?」
「わかったら帰りなさい。みんなにも内緒いい?」
「はあ…」

優希は3日連続で残ることに…自業自得というより、白状してしまったからしょうがないか?

夜明け前 ( 2017/08/08(火) 21:11 )