美しい桜と音-2学期編-










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第8章
02
教室では一体どんな先生が来るのか、あらゆるところで話していた。男なのか女なのか?それは全くわからない…

(先生…誰なんだ?)

優希は頭をフル回転させた。だが、フル回転させたところでわかるはずがなかった。

「なぁ優ちゃん。」
「キモいってだから。」

席替えで隣になった悠太に呼ばれ、優希は我に返った。

「先生誰だろうな、個人的には女の先生がいいな。」
「お前のことだからな。」
「優ちゃんは?」
「しばくぞいい加減…」
「わかったわかった…で、誰だと思う?」
「知るわけないだろ。」
「なんだよ…」

優希にそんな超能力とかない。逆にあったらすごいが、あったところで何の役に立つのか?と…

「はーいみんなお待たせー。」

教室に見知らぬ先生が来た。どうもこの先生が国語の先生みたいだ。

「女の先生じゃん、可愛い。」
「誰でも可愛いだろ?」
「はーいそこの君達、先生が来たら喋らない。わかった?」
「意外ときついな。」

懲りずに話しかけてきた悠太に頷いた。

(確かに見た目と裏腹にちょっときつい。)
「えーと、今日と来週までみんなの国語受け持つことになった、松井珠理奈です。よろしくね。」

珠理奈先生は黒板に自分の名前を書いた。

「珠理奈先生だとよ、元気な先生だね。」
「静かにしろって、あれほど言ってただろ?」
「ほんとお前は固いな…」
「はーい、また君達話して…」
(また怒られた。悠太と隣になったのは間違いだ。)

その後も悠太は懲りずに話しかけてきた。その度に注意を受けたが、ある意味優希は連帯責任みたいだった。

「はーい今日はここまで、みんなお疲れ様。それと…そこの2人、下野悠太君と向井地優希君、放課後職員室来てね?」
(マジかよ…俺完全にとばっちりじゃん…)

優希は悠太を睨んだ。悠太は手振りで『すまん。』と表現していたが、優希は許す筈がない。完全にとばっちりだからだ。

(あれほど喋るなって言ってたのによ…はぁ、悠太の隣は間違いだよ。)
「はーいじゃあみんな休憩ね。」

休憩と言われたが、優希の頭の中は悠太の恨みしかなかった。

■筆者メッセージ
新しい先生は珠理奈にしました。

光圀さん

あまり珠理奈の先生というイメージがなかったんで、選びました。後、アドバイスありがとうございます。
夜明け前 ( 2017/08/05(土) 09:07 )