美しい桜と音-2学期編-










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第5章
06 優希・美桜の発表
「さあ、続きましては向井地優希・朝長美桜カップルでーす。」

紹介とともに優希・美桜が登場し、歓声が上がった。大半は優希に彼女がいるとは知らず…

「優希彼女いんの?」
「マジかよ…あいつモテるけどいねえもんやと思った…」
「何で優希君に彼女が…ショック。」
「優希の彼女可愛すぎ。ここの子じゃないよな。」

ショックと驚きが隠せない生徒達、それに比べると愛佳らは知ってる分何も驚かない。

「みんな驚きすぎじゃない?」
「だってあまり知ってなかったらそうなるだろ。」
「しかし、すごい人気だな。」

一方尚・咲良は別の意味で驚いていた。

「優希出てんじゃん…」
「優ちゃん意外…」

歓声が静まりかえると主催者が話し始めた。

「やはりすごい人気ですね。それではお二方に先ずは自己紹介を。」
「えーと、向井地優希です。あまり公に出してなかったんで、驚くのも無理はないと思います。それで彼女なんですけど、朝長美桜です。福岡住んでます。」
「なるほど遠距離ですか…では彼女の朝長さんお願いします。」
「はい。皆さん初めまして、朝長美桜です。今すごく緊張してますが、同時に嬉しさもあります。」
「はい、ありがとうございます。では、付き合ったきっかけからお願いします。」
「付き合ったきっかけは今年の夏に福岡行きまして…一人じゃなくて尚と愛佳と後数人で行った時に久々に出会いました。」
「なるほど…それで、告白したのは優希さんが告白を?」
「いえ、私がしました。」

その瞬間、会場がざわめいた。

「優希じゃないの?」
「あの子が言ったの?」
「えー皆さんお静かに、朝長さんが告白したということですか?」
「はい。実は前に一度告白したんですが、フラれたんです。でも、優希への想いは変わらなくてこの夏に会えることになったんで、もう一回アタックしようと思ったんです。そしたら、成功して今に至るんです。」
「はあ…一度告白したんですね。優希さんも覚えてますか?」
「はい。そん時あまり恋愛とかに正直興味なくて、断ったんですけど知り合いから『まだ諦めてないから考えてあげて?』って言われて…それで美桜の告白を受け止めたんです。」
「なるほどなるほど…それで今に至ると?」
「そうです。」
「ちなみに一部噂で優希さん、その愛佳さんとの噂ありましたけど…」
「変なこと言うと余計ややこしくなると思って、何も言わないことにしたんです。結局余計噂が広まりましたけど…」
「そうなんですね。えーと朝長さんにお聞きしたいんですが、優希さんと今遠距離で、この夏に付き合う前から離れてたわけですが、別の人が好きになったりはしなかったんですか?」
「その…優希にフラれた時はショックでしたけど、どうしても優希への想いは捨てきれなくて…他の人が好きになったりはしませんでした。」
「素晴らしいですね。優希さんそれを聞いてどうですか?」
「どうですかって…う〜んと、まあそれ聞いた時は申し訳ないっていうのと、ずっと好きでいてくれたという感謝と両方でしたね。」
「ありがとうございます。最後に二人に聞きます、大好きですか?」
「はい。」

優希が答えると美桜も頷いた。そして、会場から拍手喝采が起きた。

「ありがとうございました、優希さん・朝長さんカップルでした。」

優希・美桜はステージから降りた。

夜明け前 ( 2018/01/08(月) 15:47 )