美しい桜と音-2学期編-










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第5章
02 いつもよりみんな早い登校
その翌日…

「じゃあまた後でな美桜。」
「うん。咲良と行くね。」

一足先に学校へ向かった優希は美桜・美音と別れた。

「美桜ちゃん、文化祭楽しみ?」
「うん。だって、優ちゃんと一緒だもん。」
「そうだよね。でもさ、美桜ちゃんもどうしてさくちゃんみたいに『優ちゃん』って呼んでるの?」
「優ちゃんが『彼女だからいいんじゃない?』って…咲良は勝手に呼んでるみたいなんだけど…」
「確かにさくちゃん自然だったもんね。」
「よし、私も行くね。」
「うん。」

その頃優希は学校に到着していた。既に悠太達は学校にいた。やはり文化祭だから楽しみにしていたのだろうか?

「優希遅くねえか?」
「俺はいつもこの時間に登校すんだよ。」
「俺らが早すぎるんだよ。」
「そうかな…」
「あれ?みんなお揃いじゃん。」
「麻友に愛佳ちゃんも…みんな文化祭だからって早いね。」
「俺ら出し物ないのにな。」
「確かに。」

出し物あるとこは早く出てくるのはわかる、優希達は何もないから普通に登校すればいいのだが…まあ優希はいつもこの時間だが、悠太達が逆に早く登校して来たのだ。

「はぁ…文化祭まだかなぁ…」
「気が気じゃねえのか?」
「単純に麻友とずっと一緒にいたいだけでしょ?」
「う…」
「悠太のことだからそうだと思ったけどね。」
「見破られたか…」
「でもさ、優希は1人だろ?ほら、彼女さんと遠距離だっけ?」
「残念だな優希、愛佳ちゃんが彼女だったら良かったのに…」
「勝手に決めつけんな。」
「え…だってそうじゃん。まさか…」
「そのまさかだよ。」
「えー!?」
「美桜ちゃん来てるの?」

美桜が来てるのに一番驚いた悠太と愛佳、一方優希の彼女が全くわからない真央と隆史は全くついていけない…

「彼女さん来てるの?」
「うん。」
「だって普通は学校でしょ?」
「それがよ、美桜の学校なんかわからんけどさ、今年は秋休みでよ。たまたまこっちに昨日来てさ。ほんで、今日の文化祭来るんだよ。」
「秋休みって学校が?」
「そうみたい。」
「ずりぃな…」
「てことは、優希も美桜ちゃんと一緒に?」
「ま、そういうことになるね。」
「優希に見せびらかそって思ったのも夢で終わるのか…」
「逆に優希に見せびらかせられるかもね。」
「なんてこった…」

がっくり項垂れる悠太を他所に、優希は項垂れる悠太を笑った。

「さ、文化祭楽しむか。咲良も来るし…」
「そっか。咲良ちゃんも来るんだね。ひょっとして咲良ちゃんとこも秋休み?」
「さあね。」

優希達は話に盛り上がっていたが、その場にいるはずの尚がいないことは誰も知らなかった。

夜明け前 ( 2018/01/08(月) 15:44 )