美しい桜と音-2学期編-










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第2章
01 役員決め
優希は2週間程家で休むとその翌日から登校し始めた。まだ本調子ではないが、前の怠さは幾分ない。

「まだ本調子じゃねえのか?」
「ちょっとな。」
「俺らからすると、もういつも通りに優希だけどなぁ…」

優希・悠太・隆史はそんな話をしていた。

「それよりさ、まだ暑くない?」
「仕方ねえだろ。」

夏休みも終わり9月に入ったが、まだ暑さがある。まだまだクーラーからは手が離せない。

「いわゆる残暑ってやつか?」
「残暑だな。」
「俺あまり暑いの嫌なんだよなぁ…」
「何で?」
「だってさ、汗が止まんないじゃん?それに、服をいくら変えたってまた汗だくになるからさ…洗濯物が増えるっつうの。」
「お前洗わねえだろ?」
「洗わねえけど、母さんには『申し訳ない。』って思って洗濯物出してる。」
「それはわかるな。」
「でもよ隆史、確かに暑いの嫌かもしれんけど、女子の水着姿見れるのはこの時期だけなんだぜ?男の俺たちには最高じゃねえか。」
「それはそうだけどよ、日焼けすんじゃん。」
「馬鹿だなお前は…日焼けするからなんだ?日焼けしてまで女子の水着見たくねえか?」
「童貞の言いそうな台詞だな。」
「痛いとこつくなよ優希。」
「別に水着なんかいつでも見れるだろ?」
「お前はわかってねえな、普通の水着とスクール水着とどっちが興奮する?」
「どういう比べ方なんだよ…」
「でも優希はいいよな。彼女いるしさ、下着見れるんだろ?」
「毎日見てるわけじゃないし、一緒に住んでないし…」
「またまた…毎日見てなくても想像してんだろ?」
「しばくぞ悠太…」
「冗談だって…」

隆史は優希・悠太の会話が羨ましかった。隆史は大体真央と一緒にいるのだが、こんなにワイワイ盛り上がる会話はあまりなかった。だから、優希・悠太がすごい羨ましかった。

「隆史も作れよ彼女。」
「お前らが羨ましい。」
「俺より先に付き合ったからな悠太は。まぁ一時別れてたけどね。」
「そこは言わなくていいだろ…」
「なんかあったん?」
「いろいろあってなぁ…」
「何もねえよ。それより、今からあれの話だろ?」
「いよいよだもんな。体育祭…」
「競技と役か…」

そう…優希たちの学校は間も無く体育祭を迎えようとしていた。

夜明け前 ( 2018/01/03(水) 15:21 )