第7章
宿題と睨めっこ
夏休みも残すところ後2週間…まだまだ暑さは残るが、真夏の暑さは峠を越した。そして夏休みが終わるとまた学校生活が始まる…二学期は体育祭に文化祭と行事があるが、休みがない…苦痛な生徒とそうでもない生徒と分かれると思う。…とそんな話はさておき、とある家では机とにらめっこしているメンバーがいた。

「あーもう全然終わる気がしない…優希ヘルプ!」
「自分で解けよそれくらい、この問題それほど難しくないって…」
「優希私も教えてー?」
「優希君私も…」
「お兄ちゃん私はその後で…」
「めんどくせー…」

そう…とある家とは優希の家、そして机とにらめっこしているメンバーとは悠太・愛佳・麻友・美音だ。この4人はこの日までに夏休みの宿題をやったと本人達は言っていたが、優希からしてみればやったというレベルではなかった。

「優希これってどういうこと?」
「どういうことって…」
「ちょっと優希、悠太ばっかり教えないで私にも教えてよ。」
「そうだよお兄ちゃん。」
「いや…それなら俺からも言わせてもらうけど、何で宿題やってないんだよ?」
「やったってほら…」
「こんなのやったに入らないって…」
「だって今回社会難しすぎだもん…」
「確かに。今回は宿題ないのかなって思ったけど、『社会はある。』って言ってたからさ…」
「でもさでもさ、社会だからきっと少ないよなって思わなかった?」
「確かに。でもいざ蓋を開けると…」
「くそ多いしくそむずい…」
「てかさ、優希は終わったの?」
「んなもん終わったに決まってるだろ。」
「うそー!?こんな難しい問題?」
「難しいって知れたもんじゃん…」
「お前まさか…山本先生にこっそり聞いてたとちゃうか?」
「そんな手使うか!お前と一緒にすんな!全く…早くやれよ。」
「そんなこと言ったってさ…」
「お兄ちゃん私には?」
「『私には?』って俺は何を教えたらいいんだよ?」
「勉強に決まってるじゃん!」
「まあそうだけど…」
「おいおい優希、美音ちゃんこんなに困ってるのに何も教えないのか?ダメな兄ちゃんだなぁ…」
「お前は口を挟まなくていいから自分も勉強しろ!」
「へいへい…」
「はぁ…4人の勉強教えるの疲れたな…」
「おいおい優希、お前俺らに何も教えてないじゃないかよ…」
「はぁ…しゃあない、最強の助っ人でも呼ぶかな…」
「最強の助っ人?まさか…美桜ちゃん?」
「アホ!何で美桜なんだよ?少しは考えろよ全く…」
「最強の助っ人でしょ?誰?」

ピンポーン

「来た来た。」

優希は玄関に向かう。

「最強の助っ人って誰?」
「あかん…俺は美桜ちゃんしか浮かばん…」
「尚とか…」
「尚ね…いや咲良ちゃんもありえないか?」
「美音ちゃんは?」
「う〜ん…私は柊ちゃんしか…」
「柊ちゃんはないんじゃないかなぁ…」
「ですよね…」

一方玄関では…

「すいませんねこんな時間に…」
「ええって別に、優希君らの為なら構わんって…」
「俺というよりは悠太らなんですけど…」
「なんか相当疲れてへん?」
「4人教えるのはマジ地獄です…」
「まあうちはそれ以上教えてるけどな。」
「頭が上がりません…」
「ははは…優希君やっぱええ子やな。」
「そんなことは…あ、ちょっと待っててください。」

優希はまたリビングに入った。

「最強の助っ人来たよ。」
「誰だよ助っ人って…」
「まあまあそう慌てるな。じゃあお願いします。」

優希の合図でリビングに入って来た人物…これには思わず…

「え…マジ?」
「うそ…」
「最強の助っ人って…」
「この人は確か…」

夜明け前 ( 2017/10/25(水) 17:58 )