第5章
恋愛って難しい
優希の家に上がった美桜は真っ先にリビングに寛いだ。

「あぁ…疲れた。」
「ここ俺ん家なんだけど…」
「そんな固いこと言わずにさ、彼女が来たのに嬉しくないの?」
「何で上からなんだよ…」
「嬉しくないの?」
「そ…それは嬉しいけど…」
「ならいいでしょ。」
(腹が立つけど憎めない…)

優希は自分が情けなく感じた。怒りたくても怒れない…こんな時はどうしたらいいのか?

(悠太に相談してもな…全く参考にならんだろうし…)
「ヘックシ!!」
「悠太?」
「誰か俺の噂してるな?」
(尚は問題外だし…)
「ヘックシ!!ああ…風邪でもひいたか?」
(まぁいいや、そのうち答え見つかるだろうし…)
「ねぇ優希、美音ちゃん2週間帰って来ないんだよね?」
「多分な。でも、予定が変わることもあり得るからなぁ…」
「その時はその時で…決めた!私も2週間優希ん家泊まろっと!」
「え…」
「だめ?」
「いやだめではないけど…」
(美音と鉢合わせにならないことを祈ろ…)

優希はキッチンに向かった。

「優希なんか作るの?」
「別に作んないさ、喉乾いただろ?お茶用意するからさ。」
「ありがとう優希。やっと彼氏っぽくなったね。」
「『っぽく』は余分だろ。」
「いいから用意して〜?」
「わかったよ…」
(なんか遊ばれてる気がする…)

嬉しいんだか悲しいんだか…優希はほんとに情けなく感じた。

夜明け前 ( 2017/10/23(月) 18:47 )