第2章
03
翌日、真人と彩は仕事現場へ…菜々は家で留守番している。というか最近留守番を任されると言った方が良いか?

「山田最近すごく落ち込んでません?」
「まあここ最近留守番ばっかだからな…落ち込むのも無理はない…」
「私悪いですかね…」
「彩は悪ないよ。てかどっちも悪くない。」
「はい…」
「そんなに落ち込むなよ…」

現場に到着すると、真人は彩の頬にキスをした。

「ま…真人さん…」

彩は一気に顔が赤くなった。

「菜々には言うなよ?」
「はい。」
「だからといって勘違いしないでくれよ?」
「わかってます。」
「じゃ、行こか?」

2人は車から降りて、楽屋に向かう。すると…

「真人さんにさや姉。」

2人が来るのを待ってたのかのように恵が出入り口前に立っていた。

「けいっち、昨日はありがとう。」
「ええってええって、真人さんおはようございます。」
「おはようございます。」

真人は普通に挨拶するが、恵に違和感を感じた。

(何で俺たちが来るのを知ってた?それに昨日も彩やみるきー、それにみんながいる前で俺の中身を暴こうとした。彩が止めたからよかったけど…怪しいな…)
「真人さん?どうしました?」
「ううん…何でもないよ。」
「そうですか…じゃあ私スタジオで待ってるね?」

そう言って恵はスタジオに入って行った。彩もそれについて行くかのように入ろうとするが真人が止めた。

「ちょっと真人さん…どうしたんですか?」
「不思議に思わねえか?」
「えっ?何がですか?」
「何でけいっちは俺たちが来るのを知ってた?」
「車が入って来たのを見たんじゃないですか?」
「それだとしたら、中で待ってるほうがよくねえか?」
「まあ確かに…」
「それに昨日は俺の中身を暴こうとした。なんか秘密があるなきっと…」
「私が止めたから暴かれずに済みましたけど…」
「もしかしたら、あの日のことを言おうとしたかもな…」
「えっ…まさか見てたってこと?」
「可能性はないとは言えないだろ?3人とも気にしてなかったからな。」
「確かに…」
「それでだ。彩…収録終わったらけいっちを呼んでくれ。俺が本人に詳しいことを聞く。」
「わかりました。私は呼ぶだけで…」
「参加するなら参加してもええけど…」
「わかりました。」

本来ならもう少し様子を見たいところだが、早めに実行することにした。果たして真人の予想は当たるのか?そして恵は何を話すのか?

夜明け前 ( 2016/01/26(火) 05:51 )