だけど、君が大好きで──
04
僕は次の日、補講を休んだ。この際休んだところで何も変わりゃしない。

そんな僕がやってきたのはいつものあの砂浜。

いつもの様にもぬけの殻で、誰もいない砂浜だ。

僕は近くに落ちていた木の枝を拾う。そしておもむろに「好きな人」なんて文字を書いてしまった。

客観的に見ればこんなにも女々しくて、ノスタルジックなことしてるんだ、と直ぐに言える。

だけど今の僕にはそれが出来なくて、ただその文字を眺めることしか出来なかった。

昨日、飛鳥が言った「告白」という言葉が頭から離れない。
目を閉じて浮かんでくるのは君のあの綺麗な横顔だった。

『はぁ……』

気付くのが遅かった。

いつからこんな気持ちになっていたのか。
知らず知らずのうちに侵食されていたみたいだ。

もう少し早く気づいてれば。

こんな朝早くから来た海。
海は僕を囃すようにさざ波を立てている。
でもそんな海が嫌じゃなかった。

書いた文字を足でかき消す。
そのまま波打ち際まで一歩一歩進む。
きっちりと一人分の足跡をつけながら。

──ずっと友達で居てくれる?

──勿論

──告白しようと思う

──ずっと応援してるからね

応援なんてできやしない。

寧ろ奪ってしまいたいくらい。

でも友達なんだ、僕らは。

僕は水平線に向き、息を大きく吸い込んだ。

『好きだーー!!』




少しだけでもいいから、言わせて欲しい。

少しだけでもいいから、意地悪させて欲しい。

少しだけでもいいから、君に触れさせて欲しい。

少しだけでもいいから、ずっと想わせて欲しい。




─────友達でずっと居て欲しい。




振り返ると、防波堤を君がいた。

〜fin〜

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Tone/とーん ( 2020/03/16(月) 00:39 )