意気地無し
05
まもなくクリスマスが訪れようとしていた。今年の冬は特段寒いようで、いつもよりも早く雪が降り始めていた。寒いのは嫌いだけど、ホワイトクリスマスなんていうのも、女子からしたらロマンティックでいいものだと感じていた。

侑也とのデートから帰った後、直ぐに真佑に電話をした。侑也の方から手を繋いできてくれたことを伝えると、電話の先で真佑が暴れだしたんだろうと思えるほど色んな音が聞こえた。

今日は終業式で、今日が終わればもう冬休みだ。雪の降る道を歩きながら学校を目指す。雪が降ってこんなにも寒いのに、清々しい気持ちになっていた。

駅を離れて少し歩いていたところ、数十メートル先に見慣れた姿が見えた。あの後ろ姿は間違いなく侑也のそのものだ。

私は歩くスピードを少し早めて、彼に追いつこうと試みる。

「おーい、侑也君!」

彼まであと20メートルまでと近付いた時、彼の名前を呼ぶ声が聞こえた。

そして私の視界に入ってきたのは一人の女の子。彼女はそのまま侑也の隣を歩き始めた。そして一瞬で、侑也の手を掴み離さない。侑也も侑也で嫌がる素振りせずに、そのまま手を離さないでいる。

『えっ?』

思わず私は声を出して、そのまま立ち止まってしまった。

今私が見ている景色は夢じゃないの?
何かの間違いじゃないの?

あんなに私が苦労して、だけど彼からしてくれた時は嬉しかったことを。

どうしてあの子はいとも簡単にやってみせるの。

真っ白な雪が、さっきまで優しかった雪が

──もう全然優しくなんてしてくれなかった。



…to be continued?


Tone/とーん ( 2020/01/17(金) 12:21 )