渡辺美優紀 1
頼み事
「ここで待ち合わせって言われたけどさ…ほんとにいいんかな…」

俺がやって来たのはとある場所、誰を待っているかというと…

「ごめーん…待った?」
「いや、ついさっき着いたとこなんで…」
「ごめんね、こんな時間に来てもらって…」

2週間前…

「慎いる?」
「何姉ちゃん?」
「みるきーから電話。」
「みるきーさんから?何やろ?」


「はい…」
【あ…慎君?久しぶり。】
「お久しぶりです。」
【今大丈夫やった?】
「はい。」
【あのな…急なんやけど、うちの彼氏になってくれへん?】
「はい!?」

突然すぎて声が裏返った。

「彼氏になる?どういうことですか?」
【実はね…友達に『今度彼氏連れて来てよ。』って言われてさ…】
「何でそんな話に?」
【友達彼氏おってさ…うちも意地ってもんがあるから、いないのに『いる。』って言ってもうたんや…】
「はあ…だから俺が彼氏役に…」
【ごめんね、その日だけでいいからさ…よろしくね。】
「わかりました。」


了承したとはいえ、ほんとに大丈夫なのかな…

「じゃ、行こうか?」
「大丈夫ですかね…」
「なんとかなるでしょ?」
「なればいいんですけどね…」

この後心配ごとが的中した。

たか ( 2016/01/20(水) 16:17 )