6幕 白井琴望
01
「お疲れさまでしたー」

K2公演が終わり、メンバーはそれぞれ帰途に着いた

電車、バス、親のお迎え、等で帰宅していく

そんな中、白井琴望はタクシー待ちをしていた

「あれ?白井、迎えはどうした?」

山下が白井に声をかける

何時もは毎回車で迎えが来るはずなのだが、今日は来ていなかった

「あ!マネージャー、お疲れさまです」

「ん、お疲れさま」

「今日から、家族が旅行に行っちゃったんですよ。一週間も」

「白井以外?」

「私は、学校の行事と公演があるから留守番です」

ちょうどその時タクシーが到着した

「そうなのか。明日も公演だからな。ゆっくり休めよ」

「はい。お疲れさまでした」

白井は、タクシーに乗り込み帰途に着いた

「………………」

(なるほど、今週白井の家は留守なのか)

(いつも周りのガードが固い白井財閥のお嬢様を落とす絶好のチャンスだな)

(よし、急なことになってしまったが、準備をはじめるか……)

山下は下心丸出しの笑みを浮かべた


〜翌日〜

今日も劇場ではK2公演が行われていた

「………そっちの準備はどうだ?」

『はい。こちらは準備終わって待機してます』

「よし。それじゃ、現地で……」

プツッ プー……プー……

山下が電話を切る

しばらくして公演が終演し、反省会が終わってメンバーが帰り支度をしていた

「白井、ちょっといいか」

「あ……はい。何ですか?」

「今日も迎え来ないんだろ?俺が家まで送っていくよ」

「え?そんな、いいですよ。タクシーで帰りますから」

「まあまあ、タクシー代だってもったいないし、白井の家は帰り道の途中だしな」

本当は全く違う方向なのだが、あえてそう言った

「そうですか……じゃあ、お言葉に甘えて、お願いします」

「オッケ。外で待ってるから、準備終わったら出てきて」

数分後……

「お待たせしました」

「ん、じゃあ乗って」

車内では公演の感想など、たわいも無い会話をしながら走っていた

普段は人見知りな感じだが、少し心を開いてくれたような気がした

キキィ

しばらくして、白井家の門の前に到着する

「今日は、ありがとうございました!」

白井が車を降り家へと向かおうとすると、山下も車を降りた

「玄関まで送るよ」

「そんな、大丈夫ですよ」

「いやいや、こんな暗いところで、何かあったら大変だしな」

「そうですか……」

ガチャ、キィ……

玄関の鍵を開けドアを開けた

「それじゃ、お疲れさまでした」

白井が扉を閉めようとした時、山下が扉の隙間に足をねじ込んだ

「え……?」

「ふふ、今日は誰もいないんだろ?お邪魔させてもらうよ」

「い、いや!何!?」

白井は扉を閉めよとするが、男の力には到底敵わない

バンッ!

扉は開かれてしまい、白井は玄関にしりもちを着いてしまった

「さて……おい、入ってこい」

門の方向から1人の男が現れた

公演中、山下が電話をかけていた相手で、白井家の門近くで待機していたのだ

男は大きな鞄を抱え玄関まで来た

そして山下と男が家に入り、ドアを閉めた

「マ、マネージャー、何するんですか!?」

「ふふ、お嬢様は危機感が少ないのかな……簡単に大人を信用しちゃダメだよ?」

山下は、メンバーに見せたことのない笑みを漏らす

「時間はたっぷりある。存分に楽しませてもらうぞ」

ブラック・キャット ( 2018/07/15(日) 00:09 )