SKE48 裏レッスン










































小説トップ
14幕 相川暖花
04
「大人しくしててよ…」

俺はほののの手を抑えながら上着を脱がしにかかった

「んー!んんーー!」

ほののが首を大きく振る

上着はチャックだったので片手でも何とか脱がせられたが、ブラジャーの外し方が分からない

(ど、どうやって外すんだ、これ……)

まごまごしている内に、ほののが大粒の涙を流して本格的に泣きはじめてしまった

「うううーー…」

その涙を見て、ハッと我に帰った

「あ、あの、ごめん…!」

(俺は何をしようとしてたんだ……)

ほののの手を離し、口からみかんを取り出す

「ぐす……うぅ…」

はだけた服もそのままに、ほののは部屋を飛び出して行った

(あああ……もう嫌われたな、これは……)

頭を抱えて今までの行為を後悔した

(もう終わりだ……)


……………
…………
………


しばらくして大きな足音が近付いてきて、おもむろに部屋のドアが開いた

「ちょっと、お兄ちゃん!何やってんの!」

裕華が怒りを顕にして現れた

「ほののが泣きながら部屋に戻ってきたんだよ!何をしたの!」

裕華の後ろには泣き顔のほののと、その肩を抱いているあゆかが居た。

「いや、その…えっと……」

(まずいことになったな…)

「ほののは何も言ってくれないけど、絶対お兄ちゃんが何かしたんだから」

「う……」

裕華の剣幕に押された俺は、何とかこの場を取り繕おうと口を開こうとした

「……お兄さんは、ほのに無理矢理…」

その時、突然ほののが涙声でしゃべりだした

(あちゃ…もうごまかせない……)

思わず下を向いてしまう

「…ほのに無理矢理、みかんを食べさせようとしてきたの」

「……は?」

「ちょっとほのの…それ本当なの?」

「…うん。それで怖くなって逃げてきちゃったの」

そう言って部屋に転がるみかんを指指す

「あはは!なんだ、そんなことだったの」

(暖花ちゃん………)

「てっきりお兄ちゃんがほののに悪口言って泣かせたのかと思った」

「えへ、ごめんね」

「………」

俺は何も言えず、愛想笑いをするしかなかった

でも、ほのののおかげで場が和やかな空気になった

「そうだ、みんなでみかん食べようぜ」

そう言って3人を部屋に招き入れる

「お兄ちゃん、もう無理に食べさせちゃダメだからね」

「ああ…、分かったよ」

(暖花ちゃん、ありがとう)

先程までの空気とは打って変わって、談笑しながら穏やかな時が流れていった


……………
…………
………


ベッドの傍らに落ちているスマホ

ほののが泣いて部屋を出てから1度も触っていなかったが、これが引き金となり事態は急変しようとしていた

ブラック・キャット ( 2019/02/13(水) 12:44 )