11幕 仲村和泉
01
ガタン ガタン

(あー、もう最悪。何でこんなに混んでるのよ)

仲村和泉は、来週に控えているコンサートに向けて、同期数人で集まって自主練をするため、レッスン場に向かっていた

朝早い時間だったので、通勤・通学ラッシュにはまってしまっていた

(暑いし、汗臭いし……)
(こんなことなら、楽しないで女性専用車輌に乗るんだったなあ)

仲村は階段から一番近い車輌に乗り込んでいたため、余計にひどい混雑だった

(朝の星占いも最下位だったしなあ……)

毎朝チェックしているニュース番組の星占いでは『今日は外出を控えたほうが良いでしょう』と出ていた

(まあ、しょうがないか。学生に戻った気持ちで乗りきろ)

ガタン ガタン

さわ……

仲村の尻に誰かの手が触れる

(もー!これだから満員電車は嫌なの)

さわさわ……

(……え?もしかしてわざと触ってる?)

手を振り払おうとするが、右手は吊り革、左手はレッスン着の入ったバッグを持っているだめ動きが取れない

振り向こうにもすし詰め状態で、後ろを見ることも出来ずにいた

誰か分からないのに、今大声を出して逃げられたら恥をかくだけ……と考え我慢する

目的の駅まで約20分かかる

(あー!もう早く着いてよ!)

無抵抗なのをいいことに、痴漢の行為がエスカレートしていく

今までさすっていただけだったが、尻をつかんで揉んできた

(ひっ!ちょっと……!)

身をよじって逃げ出そうとするが、どうにもならない

すると今度はTシャツの裾から手を入れ、ブラジャーの上から胸を触る

(ええ!!もしかして真後ろに……?)

耳元に荒い息づかいを感じている

すると、パンティの布をずらして割れ目をなぞりだした

「ひっ!」

仲村は思わず声をあげてしまう

(こ、この、調子にのって……)

ぬる

痴漢が膣の中に指を入れ動かしてきた

「ひん……」

指を動かされる度に、小刻みに身体を震わせている

(んっ……ちょっやめ……)

仲村は久しぶりに味わう刺激に、つい身体が反応してしまう

「はっ、はっ、濡れてきたよ……気持ちいいの?」

痴漢が耳元でささやく

(この……いい加減に!)

さすがに我慢の限界で、大声を出そうとした、その時

キィィ……

電車が駅に到着して停止した

「さ、僕達も降りようか」

痴漢が仲村の手を引き、人混みの波に紛れて電車を降りた

「え?ちょっと……」

仲村は人並みに逆らえずに電車を降りてしまう

痴漢が手を引きながら、どこかに向かって早足で歩いていく

そこで初めて見た痴漢の姿は、見た目30代くらいだろうか

スーツ姿に黒縁メガネを掛けており、仲村のイメージする痴漢とは程遠い風貌であった

仲村は初めて降りた駅のため、どこに連れていかれるのか想像がつかない

しばらくホームを歩き、痴漢はキョロキョロと周りを見回して問題無いことを確認して"多目的トイレ"に仲村を押し込んで鍵をかけた

(ああ……朝の占い本当だったんだ……)

ブラック・キャット ( 2018/08/02(木) 22:36 )