かけがえのない虹になる
太田夢莉
澄み切った瞳をしてる
「あの、どこかお探しですか?」
 地図を持ったショートカットの女の子に取りあえず背後から声を掛けてみる。
「え? あ、はい! 私立難波学園へ行きたいんですが」
 いきなり声を掛けたので少し驚かれたが質問の答えが返ってきた。
「それなら私も今向かってるんで一緒に行きましょう」
「いいんですか! ありがとうございます!」
「いいですよ、目的地は一緒ですから」
「よろしくお願いします! 私は須藤凜々花って言います」
「私、太田夢莉。難波学園の2年です」
「じゃあ、同い年ですね」
お互いに自己紹介し、須藤さんの顔をまじまじと見る。綺麗な瞳、お人形さんみたい。
「あの、太田さん、その膝大丈夫ですか?」
「これね、まあ痛いけど学校までの我慢だから大丈夫」
「雑菌が入ったら大変ですよ。私、消毒液と絆創膏持ってるのでちょっと待ってください」
 そう言うと、須藤さんは鞄を漁り始めた。
「そんなの用意してるなんて、女子力高いですね」
「そんなんじゃなくて、自分がよく怪我をするんですよ」
 会話しながら手際よく、消毒して絆創膏を貼ってくれる。
「はい、終わりました」
「ありがとう、須藤さん。じゃあ、行こうか」
「はい、太田さん。よろしくお願いします」
「そうだ、夢莉でいいよ。同い年なんだし敬語もなしで」
「うん、なら夢莉ちゃんで、私も凜々花でいいよ」
「うん、よろしく凜々花。じゃあ、そろそろ行こっか、この路地を抜けたら後は一本道の坂だから」
 凜々花に声を掛けて歩き始める。


混老頭 ( 2017/11/27(月) 03:19 )