乃木坂高校












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第8章
みんなの決意
BBQはさらに盛り上がっていく。
和也はというと、焼きそばを食べたいと桃子が言ったので、焼きそば作りを始めた。

美波「和也くん、何から何までごめんね?」
美波が申し訳なさそうにしている。
和也「ううん、これはこれで楽しいし、みんなが喜んでもらえると嬉しいから。料理っていいもんだね?」
和也は美波に笑いかける。

美波「ありがとう。なら、今度は和也くんに私の手料理を振る舞うね?」
和也「本当に?美波の料理は美味しいって聞くから楽しみだなぁー!」
子供のように喜ぶ和也見て、美波は微笑んだ。

祐希「みなみ〜!ジュースがこぼれちゃったよ〜!」
服にジュースをこぼして、泣きついてくる祐希。
美波「あらあら。すぐにシミ抜きしなきゃね」
美波は祐希を連れてその場を離れた。

遥香「大将!調子はどうでっか?」
美波と入れ替わり、遥香が話をかけてきた。
和也「ボチボチでんな〜!」
遥香「あははっ〜!和くん、関西弁下手やな〜!」
和也「そう?俺的にはいい線言ってたと思ったけど?」
遥香「発音が全然あかんで?もっと勉強して下さーい!」
和也「頑張ってみっかなぁ〜!」
和也の謎な関西弁に遥香は爆笑していた。

和也「ちょっとソース取ってくれる?」
具材が焼けて、麺がほぐれてきたので、焼きそば作りは最後の仕上げに入る。

「はいっ!」遥香から粉末のソースを受け取り、ふりかけると香ばしいソースの香りが広がる。

遥香「うわぁ〜!!めっちゃいい匂い!これだけでご飯2杯はいけるわぁ!」
和也「ふふっ、味見してみる?」
遥香「いいの?食べたい!」
和也は焼き立ての焼きそばを「フーッ、フーッ」と冷まして、遥香の口に近づけた。
遥香は顔を少し赤くして、焼きそばを口の中に入れる。

和也「どうかな?」
遥香「めーーーっちゃ美味しい!」
和也「ほんと?よかったぁ〜!遥香がそう言ってくれるなら大丈夫だね!」
遥香「ほんと毎日でも食べたいぐらい!」
和也「あははっ、大袈裟だなー!でも、ありがと!」
和也は遥香の頭を撫でて、みんなを呼んだ。

美月「すごいいい匂いだぁ〜!これ、和くんが1人で作ったの?」
和也「まあね。味は遥香のお墨付きをもらったから大丈夫だと思うよ!」
さくら「かっきーが言うなら大丈夫だね!」
桃子「和くん、食べてもいいかな?」
和也「どうぞ、召し上がれ?」
みんなは焼きそばを一口食べると、少し興奮気味で話し出す。

史緒里「美味しい!!」
さくら「うまっ…」
和也「さくら、どうかな?」
さくら「うまっ!!」
桃子「さくらちゃんも可愛くて、焼きそばも美味しくて、困っちゃう〜!」
美波「困っちゃう理由がよくわからないけど、ほんとめっちゃ美味しい!」
祐希「ふぉんとおいひいふぇ〜」
口いっぱいに詰め込んだ祐希は何言ってるかわからなかったが、たぶん褒めてくれているのであろう。

美月「ほんと毎日でも食べれちゃう〜!」
和也「あははっ!遥香と同じこと言ってるね!」
美月「そうなの?私達気が合うね〜!」
遥香「美月さんと一緒だなんて幸せすぎます!」
遥香の美月への愛は日に日に大きくなっていく。

和也「美月、口にソースが付いてるよ」
和也はウェットティッシュを1枚取り、美月の口周りを拭いた。
美月「えへへっ、ありがと!」
美月は照れ臭そうに笑い、遥香は少し頬を膨らませてヤキモチを妬いている。

遥香「私がやりたかったのに!!」
和也「次は遥香に残しておくね?」
美月「もうっ!そんなに口の周りに付けたりしないからね!」
和也「言ってすぐに付けてるけどね?」
遥香「美月さん!動かないでくださいね!私が綺麗にします!」
そんな美月と遥香のやり取りを見て、笑いに包まれたのだった。


その後、BBQを楽しんだ一同は後片付けをして、帰ることにした。

桃子「あーっ!楽しかったぁ!」
史緒里「写真もいっぱい撮れたし、幸せな1日だったね!」
祐希「そうだね!でも、蝶々捕まえれなかったなぁ〜」
美波「与田はほとんど蝶々を追いかけてたもんね」
美月「それにしても、よく眠りますね〜?」
遥香「可愛い寝顔ですね!写真撮っちゃお!」
みんなは和也におんぶされて寝ているさくらを見て微笑んだ。

和也「楽しみで朝早くに起きたからね。ほんとまだまだ子供なんだよね」
史緒里「こんな可愛い子がセンターで頑張ってるんだから、私達も頑張らないとね!」
桃子「うんっ!さくらちゃんは桃子が支えてあげるんだ!」
美波「桃子がじゃなくて、私達がでしょ?」
美月「次の楽曲、絶対最高な作品を作ろうね?」
祐希「だね!頑張るぞぉ〜!」
『オーッ!』夕日でオレンジ色になった空にみんなの声が響き渡ったのであった。

しゃもじ ( 2022/03/02(水) 11:25 )