乃木坂高校












小説トップ
第8章
似た者兄妹
母「祐希ちゃん、このケーキも食べる?」
祐希「はい!いただきます!!」
母は祐希に溺愛していた。
理由は1つ。祐希が小動物に似ているからだ。
確かにケーキを口いっぱいに入れ込み、リスの様になっている祐希を見ると可愛く思える。

さくら「兄ちゃん、何みてるの?」
和也「祐希を見てると小動物を見てる様で和むんだよね」
さくら「与田さん、ほんと可愛い」
和也とさくらは祐希を見て微笑んでいた。

和也「そうだ。さくら、パジャマある?」
さくら「パジャマ?最近、かっきーと新しいの買ったから、古いのならあるよ?」
和也「それ祐希に貸してあげて欲しいんだけど」
さくら「うん!いいよ!待ってくるね!」
さくらはパジャマを取りに部屋に向かった。

和也「祐希、お風呂に入っておいで?」
祐希「おふほ?」
祐希は未だに口いっぱいに食べ物を詰めている。
和也「そう、お風呂。汗かいたでしょ?」
祐希「和くんは入らんと?」
和也「俺は祐希が入ったら入るよ」
祐希「でも、なんか申し訳ないな…」
母「和也は後でいいのよ!祐希ちゃん、入ってらっしゃい?」
和也「母さんもそう言ってるからさ。ねっ?」
祐希「うんっ!和くん、ママありがと!」
祐希はお礼を言ってお風呂場に向かった。

さくら「あれ?与田さんは?」
パジャマを撮りに行ったさくらが戻ってきた。

和也「お風呂に行ったよ」
さくら「そっか!なら、パジャマ置いてくるね!」
さくらはパジャマを置きにお風呂に行く。

(さくら遅いな…)パジャマを置きに行くだけなら1分もかからないが、さくらは5分程帰ってこなかった。
様子を見に行こうとすると、さくらは暗い顔して戻ってきた。

和也「さくら、遅かったけどどうしたの?」
さくら「ううん、なんでもない…」
明らかに何かに落ち込んでおり、自分の胸に手を当てている。

和也「どうした?苦しい?熱でもある?」
和也はさくらが心配になり、おでこに手を当てる。
しかし、全く熱くなく平熱だった。

さくら「熱はないから大丈夫だよ。ただ…」
和也「ただ?」
さくら「与田さん…大きかった…」
和也「祐希が大きい?さっき小動物みたいって話してたのに?」
さくら「ううん、身長じゃなくて…その…」
さくらは自分の胸に目線を送る。
さくらの行動によりようやくなんのことか理解した和也。

和也「そういうことか。なんでいきなり?」
さくら「パジャマ置きに行った時に、たまたま目に入っちゃって」
やはり、さくらとは兄妹だと和也は感じた。
和也も史緒里の時に同じ事を経験した。

和也「なるほど。それで、なんでさくらが落ち込んでるの?」
和也はお茶を飲みながらさくらに質問する。
さくら「兄ちゃんもやっぱり大きい方が好き…?」
『ぶぶっ』さくらの言葉にお茶を吹き出しそうになる。

和也「な、なんで!?」
さくら「男の人はみんなそうなのかなって…」
和也「そ、そんなことないって!」
さくら「そうなの?なら、さくぐらいでもいいの?」
和也「あたりまえだよ。だから気にしないの?」
さくら「うん!!兄ちゃん、ありがと!」
さくらは少し笑顔になった。

母「なにこそこそ話してるの?」
洗い物を終えた母がテーブルに戻ってきた。
和也「えっ、えーっと…」
さくら「与田さんは可愛いねって話してたの!」
言い訳の思いつかない和也にさくらがフォローする。

母「そうよね〜。あんなに可愛い子がこの世の中にいるなんて」
和也「それは大袈裟でしょ!」
そんな話をしていると、「ただいま〜!さくらちゃんパジャマありがと!」と祐希がお風呂から上がった。

和也「おかえ…り…」
和也は振り向いて祐希の方を見ると、少しサイズの大きいさくらのパジャマを着た祐希が立っていた。

祐希「和くんどうしたと?」
和也「な、なんでもないよ!なら、俺はお風呂いくね!」
祐希と入れ替わり、和也はお風呂場に向かった。

(祐希…なんか可愛かったな…)
祐希のダボっとしたパジャマ姿を見て、和也は少しドキドキしたのであった。

■筆者メッセージ
すみません!
昨日更新できませんでした!
しゃもじ ( 2022/02/20(日) 12:02 )