乃木坂高校












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第8章
ペットと妹
七瀬「祐希は何が食べたいの?」
和也と七瀬の間で歩いている祐希に話しかける。

祐希「えーっとですね、馬刺しです!」
和也「ば、馬刺し!?」
祐希の発言に少しびっくりする和也。
それに比べて七瀬は全く表情を変えずに微笑んでいる。

七瀬「まだ馬刺しにハマってるん?」
祐希「はい!毎朝、馬刺しと納豆を食べてます!」
和也「馬刺しと納豆…謎な組み合わせだね」
七瀬「ふふっ、なら、馬刺しがあるお店探そっか?」
七瀬は優しく笑いかけた。
和也はそんな七瀬の姿を見て、本当に祐希のお姉さんの様に感じた。

スマホで馬刺しがあるお店を探して、店内に入った。
店員「ご注文がお決まりになりましたらお呼びください」
席に案内してもらい、水をもらって店員が離れようとすると、「馬刺しお願いします!」と祐希が元気よく注文する。
和也と七瀬は目を合わせて笑い合う。

店員「馬刺しですね。何人前にしましょう?」
祐希「うーんと、3人前でお願いします!」
和也「1人1つの計算なんだ…」
店員「かしこまりました。他はよろしかったですか?」
和也「また後でお呼びします」

その後、各自食べたい物を注文して、料理が来るのを待った。
七瀬「祐希、なんか今日は楽しそうやね?」
祐希「はい!七瀬さんに会うのも久しぶりで嬉しいですし、和くんに会うのも嬉しいです!」
七瀬「そっか。祐希は和也くんのことが大好きなんやね?」
祐希「はい!!あっ!間違えた!これは友達としてというか、なんというか」
祐希は顔を真っ赤にして俯いた。

七瀬「ふふっ、祐希はやっぱり可愛いなぁ〜。ねっ?和也くん?」
和也「そうですね!」
祐希「そ、そんな!祐希なんて出来損ないのロボットなもので…」
七瀬「祐希は出来損ないのロボットやないよ?祐希はみんなにとって大切な…」
祐希は七瀬の発言に何かを期待している。

七瀬「大切なペットかな?」
七瀬はイタズラな笑みを浮かべた。

祐希「ペット…。薄々感じてはいたんですけどね〜。う〜ん、ペットかぁ〜。ロボットよりはマシかな〜?」
祐希はロボットとペットの狭間で葛藤している。

祐希「まぁ、どっちでもいっかぁ!祐希、お手洗いに行ってきまーす!」
考えることが面倒くさくなったのか、祐希はトイレに行ってしまった。

和也「七瀬さんは本当に祐希のお姉さんみたいですね?」
和也は七瀬に話しかける。

七瀬「そうかな?でも、祐希は今までの子とはちがったかな?メンバーでもなくて、後輩でもなくて…。うん、妹って言葉が1番あってるかもね?」
和也「2人を見てるとすごい和むんですよね。」
七瀬「ふふっ、そうかな?」
七瀬は照れ臭そうに笑う。

七瀬「和也くん、祐希のことよろしくね?なな…私の大事な妹やからなんかあった時は助けてあげてね?」
和也「もちろんです。俺にとっても祐希は大事なペットなんで」
和也が冗談を言うと、七瀬は嬉しそうに笑った。

祐希「なにを話してるの?」
トイレから祐希が戻ってきた。
和也「内緒の話かな?」
祐希「えぇ〜!2人だけズルい〜!七瀬さん、なんの話ですか?」
七瀬「ななと和也くんの秘密の話かな?」
祐希「もぉ〜七瀬さんまで〜!」
祐希はさっきまで七瀬の横に座っていたが、何故か和也の隣に座る。

和也「祐希、席間違えてるよ?」
祐希「祐希はここがいい!和くん、お水取って!」
和也「いきなりどうしたの?」
七瀬「ふふふっ、祐希も乙女やなぁ〜。大丈夫やで?」
七瀬は祐希がヤキモチを妬いていることに気づいた。
気づかれた祐希は恥ずかしくて耳まで真っ赤になってしまう。

和也「乙女?大丈夫??なんのこと?」
七瀬「祐希は天然やけど、和也くんは鈍感なんやなぁ〜」
祐希「も、もういいですよぉ!あっ、馬刺しがきました!」
祐希は運ばれてきた馬刺しを勢いよく食べ始めたのであった。

しゃもじ ( 2022/02/17(木) 13:12 )