乃木坂高校












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第8章
天然と破天荒
夏休みも中盤に差し掛かった。
和也はある程度宿題を終わらせたので、遊ぶ事とマネージャー業に力を入れる。

そして、今日もある人と待ち合わせをしていた。

和也は待ち合わせ時間より早く着いたので、その人が来るのを待っていると、隣に優しい雰囲気をした女性が横に並ぶ。

(この人も待ち合わせかな?)
和也は待っている間、横目でその人を見る。
半袖のグレーのスウェットパーカーに、サタンのスカートを履いている。
ほんの少しだけさくらに似た雰囲気があった。

少しの間待っていると、「おーい!!」と手を振りながら駆け寄ってくるちびっ子。

和也「祐希、危ないよ?」
???「祐希、危ないで?」
和也と横にいた女性が同時に声を出す。

『えっ?』お互い祐希の名前を口にして、驚いたように目を合わせた。

祐希「和くーん!七瀬さーん!」
祐希は走るスピードが遅くなることがなく、近づいてくる。

和也「ゆ、祐希!そろそろ止まらないと!」
和也は七瀬の前に立つと祐希が飛び込んできた。

和也「相変わらず危ないね?」
和也は祐希を抱きとめた。
今日の祐希は紺色のスカートにチェック柄の長袖のブラウスを着ている。

祐希「えへへっ、2人に会えたのが嬉しかったけん!七瀬さん、こんにちわ!!」
祐希は嬉しそうな表情をして、後ろに立っている七瀬を見た。

七瀬「久しぶりやね?祐希は大きくなった?」
祐希「わかりますか?身長が0.5センチ伸びたんです!!」
身長が伸びたことを気づいてくれたのが嬉しかったのか、満面の笑みをする祐希。

和也「0.5センチって伸びたって言うのかな?」
祐希「ぶーっ!伸びたの!!祐希、走ったら喉乾いたので飲み物買ってきます!」
祐希は近くにあった自動販売機に飲み物を買いに行った。

和也「やれやれ。ほんと自由だなー。あっ、申し遅れました。遠藤和也です」
七瀬「西野七瀬です。キミが和也くんか〜。祐希が話してた通りの人やな?」
和也「西野さんも祐希が言ってた通りの人ですね?」
七瀬は祐希が言ってた通り、優しい雰囲気の持ち主だった。

七瀬「西野さんじゃなくて七瀬でいいよ?」
和也「ありがとうございます。なら、七瀬さんって呼ばせてもらいますね?てか、七瀬さんは今日は祐希と待ち合わせを?」
七瀬「そうやよ?あれ?知らんかった?」
和也「全く知りませんでした」
七瀬「ふふっ、相変わらず大事なことを言い忘れてなぁ」
七瀬は目を細めて懐かしむ様に戻ってくる祐希を見つめた。

祐希「和くーん!ペットボトルの蓋があかないよ〜!」
祐希は中々開かない蓋と格闘している。

和也「貸して?」
和也は祐希からペットボトルを受け取り、いとも簡単に蓋を開ける。
祐希「うわぁ!ありがとう!和くんは力持ちだ!」
祐希は飲み物を一口飲んで、蓋を閉めたが明らかに緩い感じがした。
それを鞄の中に入れようとしたので、和也は慌てて止める。

和也「ち、ちょっと祐希!ストップ!」
和也はペットボトルの蓋を強く閉めた。
祐希「わぁ!あぶなかったぁ〜!」
七瀬「祐希、昔、鞄の中に飲み物こぼしたことあったよね?」
祐希「はい!パックのジュースを鞄の中に入れたら、気づいた頃にはベタベタになってました!」
祐希は笑いながら答える。

和也「なんでそんなことになるの?」
祐希「なんでだろう?注意力がないのかな?それに、次の日も同じ事が起きたんだよ!」
天然でどこか抜けてると思ったが、ここまでとは思わなかった。

祐希「まぁ、昔の話だからね!今はたまにしかないから!」
七瀬「そのたまにが今日起きたんや?」
祐希「まだ未遂です!それより、お腹空いたのでご飯いきましょ〜?」
祐希は和也と七瀬の間に入り、2人と腕を組んで歩きだした。

和也「なんか子どもを連れてるみたい」
七瀬「そうやね?まぁ、祐希は子どもやから間違ってはないんちゃう?」
和也と七瀬は目を合わせて笑いあった。

■筆者メッセージ
与田ちゃんの私服は冠番組の沖縄に行った時の服装をイメージして下さい!笑
しゃもじ ( 2022/02/16(水) 12:05 )