乃木坂高校












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第8章
せっかちなかたつむり
お店を後にした2人はお祭り会場に向かっていた。

和也「俺の顔に何かついてるの?」
和也は店を出てからの史緒里の視線が気になっていた。
史緒里「へっ、な、なんでもないよ!今日も暑いね〜!」
史緒里は顔を手で仰いだ。
和也「ん?そうかな?今日は涼しい方だと思うけど?」
史緒里「そ、そうだったね!宮城県は涼しいんだよね〜!」
和也「うん。涼しいね?様子が変だけどどうかした?」
史緒里「なんでもないです!いや、ないこともないんだけど…」
恐ろしいぐらい早口で話しだし、顔を赤くする史緒里。

和也「あっ!ごめん、気づかなかった!」
史緒里「えっ!!気づいてくれたの?」
和也「コンビニとか近くにあるのかな?」
史緒里「へっ?コンビニ?なんで?」
和也「えっ?あれでしょ?トイレに行きたかったんじゃ?」
史緒里「違います!!」
史緒里は頬を膨らませて、歩き出した。
和也「違うの?なら、どうしたの?」
史緒里「だから…その…」
史緒里はもじもじしながら和也の手を視線を送る。
和也「んー??手がどうしたの?」
史緒里「だから…その…手…繋いでもいいですか?」
和也「手?あぁ!そう言うことね!うん、どうぞ?」
和也は史緒里の手を握った。
史緒里「ありがとうございます…」
史緒里は真っ白な肌を赤くして、恥ずかしそうに俯いた。

和也「前から思ってたけど、史緒里の手って細長いね?」
和也は手の握りを恋人繋ぎにして、史緒里の指の形を確かめている。
史緒里「あっ!!」
史緒里は突然の恋人繋ぎにびっくりして動揺している。
和也「んっ?どうした?」
史緒里「なんでもない!ちょっと嬉しくて…」
和也「嬉しい?なにかあったの?」
史緒里「ううん、気にしないで?」
史緒里は繋いだ手に力を入れた。
和也「変なの!てか、人が多くなってきたね?」
史緒里「そうだね!でも、変な気分だなぁ〜。子供の頃に来てたお祭りに和也くんと来れるなんて」
和也「俺も見知らぬ土地の祭りに来るなんて変な気分」
史緒里「今度は和也くんの地元のお祭りに行きたいな?」
和也「そうだね!一緒にいけるといいね?」

そんな話をしていると、「史緒里?」と誰かに史緒里の名前を呼ばれた。
史緒里「えっ、まさみ?」
まさみ「あーっ!やっぱり史緒里だぁ!久しぶり〜!」
史緒里「久しぶり!!まさか会えるなんて!」
まさみ「もぉ〜!帰ってきてるなら連絡してよね!」
史緒里「ごめんね〜!」
史緒里は地元の友達と会って喜んでいる。

「ねぇ、この子誰?」と史緒里の友達の横にいた男性が話に入り込む。
まさみ「幼馴染の史緒里。前に話したでしょ?この人はウチの彼氏です!」
彼氏「あー、そんなこと言ってたなー」
史緒里「まさみ、彼氏出来たの!?」
まさみ「まぁね!そういう史緒里もでしょ?」
史緒里の友達は和也の方をチラッとみた。
史緒里「な、なにいってんの!」
まさみ「だってねぇ〜?そんなラブラブな所を見せられちゃうとね〜?」
友達は恋人繋ぎをしている手を見た。
史緒里「えっ、これは、その…」
史緒里は恥ずかしがりながらも手を離そうとしなかった。

和也「遠藤和也です。よろしくお願いします」
和也はなんとなく挨拶をした方がいいと思い、自己紹介をした。
まさみ「へぇ〜、史緒里、カッコいい人だね?」
史緒里「もぉ〜、私のことはいいから!」
史緒里は顔を赤くしていた。

彼氏「そうだ。一緒にお祭り回らね?」
まさみ「えっ?それは流石に悪いよ…」
彼氏「いいじゃん!人が多い方が盛り上がるし」
まさみ「でも…」
気まずそうに2人を見る友達。
史緒里「和也くん、どうする…?」
気まずそうにしている友達を見て、史緒里も気まずそうにしている。
和也「史緒里がいいなら大丈夫だよ?」
彼氏「なら、決定だな!いくぞー!」
彼氏は史緒里の友達の手を強引に掴み、歩き出した。
史緒里「和也くん、ごめんね?」
和也「ううん、せっかく友達と会えたんだし、史緒里は史緒里で楽しみな?」
史緒里「うん。ありがとう」

こうして、史緒里の地元の友達とお祭りに回ることになったのだった。

■筆者メッセージ
昨日、投稿した話、1番訂正しました!


友達の名前はテレビを観てたら、ダー子さんが出てたので、それを使いました!笑
しゃもじ ( 2022/02/04(金) 11:53 )