乃木坂高校












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第7章
ジコチューでいこう!
飛鳥「あんなデレデレしちゃってさ…。飛鳥ちゃんもいるんだぞ…」
飛鳥はレジャーシートに座り、砂に和也の名前を書いていた。

飛鳥「初めてだったのにな…」
飛鳥は和也との初めての行為のことを思い出した。
飛鳥「和にとっては特別じゃなかったのかな…」
マイナスなことばかり考えてしまい、泣きそうになる飛鳥。

すると、「特別でしたよ?」と声が聞こえて、「えっ?」と飛鳥が顔を上げる。
飛鳥「和…」
和也「飛鳥さんと遊んだことや、それ以外も特別ですよ?」
飛鳥の目線に合わせるため、和也は飛鳥の前にしゃがみ込む。
飛鳥「……。いつから?」
和也「えっ、だから、遊んだ時からですけど?」
飛鳥「違う!!いつから聞いてたの!?」
和也「えーっと、初めから?」
和也がそう言うと、みるみる飛鳥の顔が赤くなる。
飛鳥「さいてーっ!スケベ!変態!!」
和也「いやいや、声に出してたの飛鳥さんですし!」
飛鳥「……。本当なの?」
和也「なにがですか?」
飛鳥「本当に特別だった?」
和也「もちろん」
飛鳥「わがままでジコチューだし、なかなか素直になれないけど、嫌いになったりしない?」
和也「大丈夫ですよ。それが飛鳥さんらしいですから」
飛鳥「……。ばかっ…」
和也「なんでですか!あっ、それよりこれ食べます?飛鳥さん、お肉好きですよね?」
和也は持っていた牛串を一本差し出す。
飛鳥「しょうがないな!食べてあげるか!」
飛鳥は嬉しそうな表情をして、受け取ろうとすると、和也が『ひょい』と手を引っ込める。
和也「しょうがないならいいかな〜?」
飛鳥をからかうような口調でニヤニヤしながら喋る。
飛鳥「おいっ!先輩で遊ぶなっ!」
和也「冗談ですよ。はい、どうぞ?」
和也が再び差し出すと、飛鳥は警戒しながら手を近づける。
和也「もうしませんって」
飛鳥が受け取って、和也は飛鳥の横に座った。

飛鳥「ねぇ、和…?」
和也「なんですか?」
飛鳥「かき氷もこのお肉もありがと…」
和也「いいですよ?あっ、やっぱりお礼がほしいな?」
飛鳥「お礼?何すればいいの?」
和也「飛鳥さんが作った料理食べてみたいです」
飛鳥「……。」
飛鳥は考え込んだ顔をしている。
和也「あっ、やっぱり今のなしで!何にしようかな〜」
和也は飛鳥の表情が気になったので、話題を変えた、
飛鳥「いいよ。飛鳥ちゃんが料理作ってあげる!」
和也「えっ?いいんですか?」
飛鳥「うん!しょうがないからな!」
和也「ありがとうございます!楽しみにしてますね?」

そして、飛鳥と話していると2人のスマホが鳴った。
飛鳥「んっ?真夏からだ」
和也「さくらからだ」
『お腹空いたからご飯食べよ?』
送り主は違うが全く同じ文章だった。
和也と飛鳥は顔を見合って笑った。

和也「いきましょうか?」
飛鳥「うん。そうだね」
2人は立ち上がり、先ほどの海の家に向かう。
飛鳥「あっ、ちょっと待って」
飛鳥がそう言うと、手を握ってきた。
飛鳥「着くまででいいから、だめかな?」
和也「いいですよ。ほんとツンデレですね?」
飛鳥「うるさい!早く行くぞ!あっ、でもやっぱりゆっくり!」
和也「どっちですか。まぁ、飛鳥さんに合わせますよ」
2人は笑いながらみんなの元に戻っていった。

■筆者メッセージ
すみません。
今日は日向の方はお休みします!
しゃもじ ( 2022/01/29(土) 19:54 )