乃木坂高校












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第7章
嫉妬の権利
電車に乗り、海水浴場を目指す。

聖来「和くん、海楽しみやなぁ?」
和也「うん、そうだね」
あやめ「和くん、これ食べる?あやの大好きなコンビニの大学いも!」
和也「ありがとう。朝ごはん食べてないからありがたいよ」
電車の中で、聖来とあやめが和也の隣に座り、楽しそうにしていたが、和也は前に座ってる3人の様子を気にしている。

遥香「和くん、鼻の下伸ばしすぎ!」
さくら「兄ちゃん、デレデレしすぎ!」
真佑「先輩、まゆのことも見てくださいよ!」
3人は頬を膨らませて、和也のことを睨んでいる。

周りから見たら女の子5人に対して、男1人と言う状況は羨ましがられると思う。
しかも、5人中5人とも可愛いという状況だ。
しかし、今の和也はそれどころではない。
みんなの様子を伺いながら、今日1日を楽しく過ごさなければならない。

和也「そうだ。海に着いたらかき氷食べる?遅れたお詫びに奢るよ」
真佑「かき氷!?食べたいです!」
さくら「兄ちゃん、私もいいの!?」
和也「もちろん。みんなで食べよ」
聖来「やったぁ〜!和くんは優しいなぁ〜!」
あやめ「和くん、ありがとうでやんす!」
4人は喜んでいたが、遥香だけは納得した顔してなかった。
そして、遥香がスマホをかまい始めると、和也のスマホが鳴った。

(んっ?遥香から?)スマホを確認すると、遥香からメッセージが届いていた。

遥香「後で話があるから😡」

文章からでもわかる。明らかに怒っている。
あやめ「和くん、どうしたの?」
和也「えっ、なんでもないよ!」
和也は誤魔化して、何もないふりをした。

そして、電車に乗ること1時間。窓から海が見え始めた。
さくら「わぁ!海だぁ〜!」
あやめ「綺麗でやんす〜!」
遥香「ほんとに綺麗だね〜!」
真佑「写真撮らなきゃ!」
聖来「せいらも撮る〜!!」
海が見えてきて、5人のテンションは上がった。

海が見え始めて10分。最寄駅に着いて、電車から降りた。
遥香「ん〜っ!海の匂いがする!!」
聖来「あっ、あのバスに乗らなかんとちゃう?」
和也「たぶんそうだね。急がなきゃ!」
海水浴の近くまで向かうバスに乗り込む。

和也「……。」
バスに乗ると和也は気まずさのあまり無言になる。
理由は隣に遥香が座っているからだ。
遥香も和也と話そうとしず、窓から外を見ていた。

(遥香はなんで怒っているのかな…)
和也は遥香が不機嫌な理由を考えていると、遥香が和也の手を握ってきた。
和也は驚いて遥香を見ると、遥香は外を眺めているままだった。

バスに揺られて少しすると、バス停に着いてバスから降りる。
聖来「着いたぁ〜!!」
目の前に広がる海。砂浜は沢山の人で賑わっていた。

真佑「場所も取らなきゃだし、早く着替えてこよ!」
近くのあった更衣室に向かった。

和也「着替えおわったらここで待ってるからね?」
『はーい!』みんなと別れて、男子更衣室に入ろうとすると、「和くん、待って」と遥香に手を掴まれた。

遥香「こっちにきて?」
遥香に連れられて、更衣室の裏に連れてかれる。

遥香「和くん、ごめんね?」
遥香が泣きそうな顔をして謝ってきた。
和也「なんで謝ってるの?」
遥香「ヤキモチ妬いちゃって、ひどい態度取っちゃったから…」
遥香が不機嫌だったのはヤキモチを妬いていたからみたいだ。

和也「全然気にしてないよ?だから、謝らないの?」
和也は遥香の頭を撫でて慰める。
遥香「うん…ありがとう…」
遥香は和也に抱きついた。
遥香「和くん…チューして?」
遥香が上目遣いで和也にお願いする。
和也「でも、誰かに見られてるかもよ?」
遥香「見られても大丈夫だよ。てか、見られた方が和くんに誰も近寄ってこないでしょ?」
和也「俺の心配よりも、遥香達の方が心配だよ…」
遥香「大丈夫。和くん以外の人に興味ないもん!それより、早くチューして?」
和也は遥香の顔を少し上げてキスをした。

遥香「へへっ、これで、もう大丈夫!」
いつも通りの笑顔に戻り、和也は安心したのだった。

しゃもじ ( 2022/01/26(水) 12:18 )