乃木坂高校












小説トップ
第7章
離れないように
2人は電車に乗って、目的地を目指す。

聖来「今日はいっぱい食べましょうね〜?」
今日は食べ歩きをする予定だった。
和也「そうだね。朝から何も食べてないからお腹空いたよ」
聖来「せいらもです!お腹ペコペコ!」
和也「聖来はやっぱりたこ焼きが好きなの?」
聖来「もちろんです!あっ、でも煮魚や焼き魚も好きなんですよ!」
和也「そうなんだ。やっぱ大阪のたこ焼きは美味しいの?」
聖来「めっちゃ美味しいですよ!今度、先輩と一緒に大阪で食べ歩きしたいです!」
和也「いいね!行ってみたい!」
聖来「なら、約束ですね!先輩は好きな食べ物あるんですか?」
和也「ん〜、なんだろ?あっ、味噌カツとか好きかな?」
聖来「味噌カツですか?ソースカツなら食べたことありますが、味噌カツはないですね〜」
和也「まぁ、地元の差だよね。俺の地元が味噌が有名だからさ」
聖来「先輩の地元もいってみたいなぁ〜」
和也「いつかお互いの地元に行けたらいいね」
聖来「ホンマですね!あっ、ここでおりなきゃ」

聖来と話していたらあっという間に目的地の駅に着いた。
改札を出て、スマホのマップを見ながら歩くと少しずついい匂いが広がってきた。

聖来「うわぁ!めっちゃいい匂いしてきたわ!」
聖来のテンションが上がっていき、歩くスピードが速くなっていく。
聖来「先輩早く〜!置いてきますよ〜!」
和也「今行くー!って、うわぁ!」
人が多くなり、思ったように進めなくなる。
人に流されて聖来との距離が遠くなって行くと、「いやや!」と聖来が大きな声を出して、急いで和也の元に向かう。

『バシッ』聖来が和也の腕を掴んで、なんとか離れずにすんだ。
聖来「先輩が居なくなるのいやや。せやから、離れんといて下さい」
聖来は俯き、泣きそうな声をしている。
和也「ごめんね。なら、手繋いでもいいかな?」
聖来「えっ…」
和也の言葉に反応して、顔を上げる聖来。
和也「ごめん、嫌だったかな?手を繋げは離れないと思ったんだけど…」
聖来「ううん、全然嫌じゃないです!せいらも繋ぎたいです!」
先ほどの泣きそうな声とはうってかわって、少し興奮気味に話す聖来。
和也「ありがとう。なら、行こっか?」
和也は聖来の手を握ると、聖来もそれに反応する様に、『ギュッ』と手を握り返した。

それから少し歩くと、たくさんの店で賑わっている通りに着いた。
聖来「着いたぁ〜!先輩、何から食べます?やっぱりたこ焼きですか?」
和也「そうだね。たこ焼き食べよっか?」

2人はたこ焼きのお店を探し始める。
しかし、ここで聖来の大阪の血が騒ぎ始めた。
和也「あっ、たこ焼きの店あったよ?」
和也はお店に近づいて注文しようとすると、「ちょっと待って!」と聖来に止められた。

聖来「ここじゃないです!違うお店探しましょ?」
和也「えっ?なにがだめだったの?」
聖来「見てわかるやろ?焼き方が甘いねん!」
和也「そ、そうなんだ…」
聖来は普段からも関西弁を使っているが、口調は柔らかく、キツい感じがなかったが、今のは違った。
いつもよりも少し強い口調だったので、和也はびっくりしてしまう。

その後、聖来のたこ焼きへの愛情なのか、それともこだわりなのか。全く決めることが出来ず、ひたすら歩き回っていたのだった。

■筆者メッセージ
1日複数回投稿してほしいとコメントがたくさんありましたが、すみません。
今、色々忙しいので落ち着いたら出来る様にします!
しゃもじ ( 2022/01/12(水) 12:17 )