乃木坂高校












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第7章
カッコいい先輩
少しの時間電車に乗って最寄駅に着いた。
和也「ふぅ…暑いね…」
駅の改札口を出ると、夏の猛暑が襲いかかる。
あやめ「そうですね。今日は今年1番の暑さみたいですよ?」
和也「通りで…とりあえず行こっか?」

2人はカフェに向かって歩き出すと、あやめが繋いだ手を気にしている。
和也「あっ、ごめん。外では嫌だった?」
あやめ「違います!!」
あやめが大きな声で否定するので、少しびっくりする。
和也「そ、そうなんだ。なら、どうした?」
あやめ「あの…暑いから手に汗かいてないかなって…」
あやめは手汗をかいていないか気にしていた。
和也「そんなことか。うん、大丈夫だよ!」
あやめ「そんなことじゃないですよ!大事なことです!」
和也「そうなの?」
あやめ「はい!特に先輩には…」
和也「んっ?俺がどうしたの?」
あやめ「いえ、なんでもありませんよ!」
あやめは顔を赤くしていた。
和也は不思議に思いながらも、それ以上はなにも聞かなかった。

駅から10分ほど歩くと、カフェに着いた。
しかし、お昼時とのこともあり入店待ちの並びができていた。

あやめ「先輩、ごめんなさい」
列に並んでいると、あやめが申し訳なさそうに謝る。
和也「ん?何に謝ってるの?」
あやめ「あやがもっと調べていれば待たせることなんてなかったのに」
和也「あやめがいるから並ぶのも楽しいよ?それに、こんなに沢山並んでるなら、良いお店なんだよね!すごい楽しみになってきた!」
和也はいつも通りにあやめに笑ってみせた。
あやめ「本当に先輩は優しいですね…」
和也「急にどうした?」
あやめ「いえ、あやも先輩と並べて嬉しいです!」
和也「んっ?嬉しい?楽しいじゃなくて?」
あやめ「ふふっ、メニュー表取ってきますね?」
あやめは照れた顔を隠すかの様に、その場から離れて行った。

30分程待って、順番が来て店の中に入った。
和也「オムライスとハンバーグを1つずつ下さい」
並んでいる時に頼むメニューを決めていたので、すぐに注文することが出来た。
少しすると、頼んだ品がテーブルに届いた。

『いただきます!』和也はハンバーグをあやめはオムライスを食べ始める。
和也「ん!美味い!」
あやめ「ほんとですね!美味しい!」
和也「オムライスはデミグラスソースなんだね?」
あやめ「はい!このソースがすごく美味しいです!」
和也「デミグラスソースのオムライス食べたことないな〜」
あやめ「そうなんですか?」
和也「うん。家のオムライスはいつもケチャップだから」
あやめ「なら、食べてみますか?」
和也「えっ、いいの?」
あやめ「はい!」
あやめはスプーンでオムライスをすくい、和也の口に近づける。
あやめ「あーん!」
いつもは控えめなあやめの大胆な行動に和也は少し驚いた。
和也は恥ずかしがりながらも、オムライスを口の中に入れる。
和也「うまっ!」
あやめ「そうですよね!」
あやめは嬉しそうな表情をして喜ぶ。
和也「あやめもハンバーグ食べてみる?」
あやめ「いいんですか?食べたいです!」
そう言うと、あやめは小さな口を開ける。
和也はハンバーグを一口サイズに切って、あやめの口の中に入れた。
あやめ「ふふっ、美味しいです」
あやめは両手を頬に当てて、美味しそうに食べる。

その後、2人はデザートまで食べてカフェから出た。

あやめ「本当にごちそうになってもいいんですか?」
あやめはお会計を払ってもらったことを気にしている。
和也「うん。デートだし、たまにカッコつけさせてよ?」
あやめ「先輩はいつもカッコいいですよ?」
和也「ふふっ、そっか。ありがとう!それより、この後どうする?」
あやめ「そうですね。もしよかったらでいいんですけど…」
和也「どこか行きたいところある?」
あやめ「あやのお家に来ませんか?」
和也「あやめの家に?でも、突然行って迷惑じゃない?」
あやめ「今日は両親が出かけてて、誰もいないんで大丈夫ですよ?」
和也「そうなんだ。なら、おじゃましてもいいかな?」
あやめは頷き、和也の手を握って駅まで向かった。

しゃもじ ( 2022/01/04(火) 12:12 )