乃木坂高校












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第7章
突然の訪問者
合宿が終わり、今日から少しの間レッスンは休みになる。
夏祭り、1週間前から再開することになっているので、しばらくの間は休みを満喫できるはずだった。

今日は予定がないので、久しぶりに家でゆっくりする予定の和也。
布団の中で寝ていると、「きゃあ」と声が聞こえた。

(きゃあ?昨日、さくらと寝たっけ?それに何かに抱きついている…)
和也はゆっくり目を開けると、そこには飛鳥がいた。
和也「あ、あ、飛鳥さん!?えっ?夢!?」
飛鳥「夢じゃないです。たぶん、現実です」
和也「そっか。現実か。んっ?現実!?ごめんなさい!」
和也は寝ぼけて飛鳥を抱きしめており、急いで離れた。
飛鳥「あ、えーっと、大丈夫です」
飛鳥はなぜかよそよそしい態度をしている。

和也「それより、なぜ家にいるんですか?それに、なんで布団の中に」
飛鳥「暇だったから、和に合宿の時のお礼をしてもらおうとしたの。えんぴーに連絡したら、兄ちゃんは今日予定ないって言ってたので来てしまいました」
和也「そういうことですか。それで、なんで布団に?」
飛鳥「お家に着いて、えんぴーと居たんだけど、えんぴーは賀喜達と約束があって行っちゃって、ママも用事があるそうで行ってしまいました。それで、和のお部屋に来たら、気持ち良さそうに寝てたから、それを見てたら私も眠たくなったので布団の中に…」
和也「なるほど。それより、なんでそんなよそよそしいんですか?」
飛鳥「えっ!いつも通りですけど!?」
和也「なんか違うような。まぁ、いいや」
和也はベットから出ようと起きあがろうとする。

飛鳥「ちょっと待って!」
和也「へっ?どうしましたか?」
飛鳥「あの…もう一度ギュッてしてほしいなって…」
飛鳥は顔を真っ赤にしてお願いする。

和也「飛鳥さんがいいなら」
和也は飛鳥の華奢な身体を抱き寄せた。
和也「飛鳥さん、いい匂いですね?」
飛鳥「たぶん、香水の匂いかな?」
和也「この香水の匂い好きです」
飛鳥「ありがとう…ございます」

少しの間、飛鳥と抱き合って、2人はベットから出た。
和也「それで、何します?」
飛鳥「それは男の子が考えるもんだろ!デート…なんだし…」
和也「うーん、なら、どこかいきます?」
飛鳥「暑いからやだ。汗かくし」
和也「せっかく考えたのに…」
飛鳥「なんか言った!?」
和也「いえ何も。それよりお腹空きましたね?」
飛鳥「もう12時過ぎてるからね」
和也「何が食べますか?」
飛鳥「うん。ちょっとお腹空いたかも」
和也「なら、適当に何か作りますよ?」
飛鳥「えっ、和が作ってくれるの?」
和也「簡単な物しかできませんが。嫌なら出前か何か」
飛鳥「食べたい!!」
飛鳥は前のめりになり、顔をキラキラさせている。

和也「わ、わかりました」
和也は飛鳥の勢いに圧倒されつつも、飛鳥のある部分に目がいってしまった。
前のめりになったことで、着ていたシャツから、胸元が見えていた。

飛鳥は和也の視線に気づいたのか、胸元を急いで手で押さえた。
飛鳥「この、変態!!」
和也「ごめんなさい!わざとじゃないです!」
飛鳥「もうっ!次見たら許さないからなっ!」
飛鳥はそう言って、部屋を出て行った。
和也も飛鳥の後を追って、一階に降りていった。

しゃもじ ( 2021/12/27(月) 12:30 )