乃木坂高校












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第6章
合宿の始まり
合宿当日。朝早くに学校に集まって、バスで移動して民宿に向かう。
その民宿の近くに体育館があり、そこでレッスンをすることになっている。

真夏「みんな集まった〜?」
一実「いると思うよ〜!」
真夏「おっけ〜!それじゃ、バスに乗って移動するよ!」
学校が手配してくれたバスに乗り込む。
和也も荷物を入れてバスに乗ると、美月がジーッと見つめてくる。
和也「な、なに?どうしたの?」
和也の問いかけに対して、何も返答しずに見つめ続ける美月。
和也「怖いよ。何かあったの?」
美月は、視線を空いている横の座席をチラッと見る。
和也「そこに座ればいいの?」
美月「私の横に座りたいの?」
やっと喋り出した美月。
和也「座りたいってか、そんな雰囲気だし」
美月「しょうがないなぁ〜!和くんが座りたいならいいよ!」
美月は和也の手を引っ張って、横の座席に座らせた。
飛鳥「あっ!!やま!何してんだっ!」
美月「和くんが私の横に座りたいみたいなんですよぉ〜!」
飛鳥「はぁっ!?なんだと〜?」
ニヤニヤしながら話す美月と、頬を膨らませて話す飛鳥。
そして、その間に挟まれて、戸惑う和也。

美月「和くん、これ食べる?」
バスが出発したので、飛鳥さんとの口論も終わり、美月はご機嫌に話をかけてくる。
和也「いいの?ありがと」
和也は手を差し出すと、美月は持っていたお菓子を袋から出した。
美月「あ〜ん?」
お菓子を手に取って和也の口に近づける。
和也「いやいや、みんないるし恥ずかしいよ」
美月「あ〜ん?」
大きな瞳で見つめられて、断りきれずに美月が持っていたお菓子を口の中に入れる。
美月「ふふっ、美味しい?」
和也「美味しいよ。ありがと」
美月「やったぁ!和くんの食べてる所見てたら、私も食べたくなっちゃったなぁ〜!」
和也「んっ?食べれば?」
和也がそう言うと、美月は小さな口を開けた。
美月「あ〜ん!」
和也「えっ?まじで!?」
美月「口が疲れちゃうから早く〜!」
またもや断りきれずに、お菓子を美月の口の中に入れた。
美月「ふふふっ、いつも以上に美味しいや」
美月は両手で頬を押さえて、幸せそうな表情をしていた。

すると、前からものすごい視線を感じる。
和也「こ、怖いよ…」
前の座席の隙間から、祐希と桃子が覗き見してくる。
桃子「和くん!!桃子はこれが食べたい!」
祐希「祐希も!!」
祐希と桃子は座席の上から顔を出して、お菓子の袋を見せてくる。
和也「食べればよろしいのでは?」
桃子「違うじゃん!桃子にも食べさせてよ!」
祐希「そうだぞ!美月だけズルい!」
美月「今は私の和くんの時間なのに〜!」
桃子「食べさせてくれないと泣いちゃうからね!?」
和也「いやいや、もう脅しみたいになってるよ…」

和也は渋々お菓子を受け取り、桃子に食べさせる。
桃子「えへへっ、美味しい〜!」
幸せそうな顔をする桃子。
その顔を見ると、食べさせて良かったと思える。

次に祐希からお菓子を受け取り、口の中に入れる。
ここまでくると面白くなってきて、祐希の口の中いっぱいにお菓子を入れる。
和也「あははっ、リスみたいになってる」
祐希「たふさんいれすぎ!」
口の中がいっぱいで何を言っているのか、全くわからなかった。

そんなことをしていると、バスはSAに入り、休憩時間になった。
バスから出て、身体を伸ばしていると、「ちょっと和くん!」と後ろから声をかけられるのであった。

しゃもじ ( 2021/11/28(日) 12:49 )