乃木坂高校












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第5章
生まれて初めてのデート
翌日。駅で絵梨花さんが来るのを待っている。
絵梨花「お待たせ〜!」
少し待っていると、絵梨花さんが駅についた。
和也「おはようございます」
絵梨花「服を選ぶのに時間かかっちゃったよ〜。ごめんね?」
和也「大丈夫ですよ。自分もさっき来たところなんで」
絵梨花「ありがと!生まれて初めてのデートだから、どんな服装すればいいのか分からなくて、昨日の夜から考えてたんだぁ」
和也「絵梨花さん、デートしたことないんですか?」
絵梨花「うん?ないよ?」
こんな綺麗な人でもデートをした事ないみたいだ。和也は少し驚いた。
和也「絵梨花さんがデートしたことないの意外です」
絵梨花「意外かな?まぁ、今日は和也くんが私の初めての相手になるので、よろしくお願いします!」
絵梨花さんは礼儀正しく頭を下げた。
和也「いえいえ。こちらこそよろしくお願いします」
和也も絵梨花に合わせる様に頭を下げた。
2人は顔を上げると、見つめ合い笑い合った。
絵梨花「それじゃいこっか!今日は、私の行きたい所を全部行くからね!」
和也は笑顔で頷いて、2人は電車に乗った。

絵梨花「うーん!お腹空いたぁ〜!和也くんもちゃんと朝ごはん抜いてきた?」
電車から降りると、座っていた疲れなのか、絵梨花さんは身体を伸ばしている。
和也「はい。昨日、言われたので抜いてきましたよ」
絵梨花「なら、よかった!それよりさ〜、その敬語やめない?」
和也「絵梨花さんは先輩なので、そんなこと出来ませんよ」
絵梨花「なんか距離感感じるんだよね〜!んっ?そうだ!!」
絵梨花さんが不敵な笑みを浮かべる。
和也「な、なんでしょうか?」
絵梨花「先輩命令です!今日から敬語はやめる様に!」
和也「そんな飛鳥さんみたいなことを…」
絵梨花「よしっ!これで決まりね!」
半ば強引に敬語を使わないことにされた。

そして、話しながら歩いていると、次第にいい匂いがして来た。
絵梨花「ついたよぉ〜!」
着いたのは焼き肉屋だった。
絵梨花「ここのお店、食べ放題で美味しいんだって!ずっと来たかったんだよね!」
そう言いながらお店の中に入っていく絵梨花さん。
和也「朝から焼き肉…」
和也もそう呟きながらもお店の中に入っていくのだった。

席に案内されると、絵梨花さんがモニターで注文を始める。
絵梨花「やっぱり、タンからだよね?その後は、ハラミにカルビに〜!あっ?和也くんは何飲む?」
コンクールの時の凛とした絵梨花さんの面影はなく、外食に来てはしゃいでいる子どもの様だった。
絵梨花「んっ?どうしたの?」
和也「何でもないです。俺は烏龍茶でお願いします」
絵梨花「烏龍茶ね!おっけー!それと、敬語になってるよ!」
敬語に敏感になっている絵梨花に和也は苦笑いをするのであった。

しゃもじ ( 2021/11/15(月) 12:32 )